• トップ
  • ニュース一覧
  • 【小宮良之の日本サッカー兵法書】 ファンのブーイングや罵声に選手たちはいかに対応するべきか!?

【小宮良之の日本サッカー兵法書】 ファンのブーイングや罵声に選手たちはいかに対応するべきか!?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年01月06日

ファンの熱を活かしたA・マドリーの闘将

選手だけでなく、ファンをも見事にコントロールする闘将。ホームスタジアムは熱狂の「シメオネ劇場」と化す。 (C) Getty Images

画像を見る

「厳しい要求をされるのがマドリーというクラブ、ということは弁えているよ。いつも勝つことが求められ、勝つだけでは満足してもらえない。ファンが、我々選手の奮起を促してくれるのには感謝しているよ。ただ、できるならブーイングよりも拍手が欲しいんだけどね」
 
 ジョレンテはこう洩らしているが、ブーイングと拍手はバランスが難しいということか。悪いプレーを見逃され、延々と声援を送られ続けると、それはそれで選手の感覚が鈍化してしまう。
 
 ベルナベウのファンと選手が一体となった時、その熱気は想像を超える。愛憎が極端だからこそ、それだけのエネルギーが出る。情熱が混ざり合うことで、思った以上のプレーが生まれるのだ。
 
 彼らのライバルであるアトレティコ・マドリーはかつて、ファンのあり余る熱をうまく扱うことができなかった。クラブを愛し過ぎるファンが多く、自ら傷つけるように、チームを非難してダメージを与えていた。
 
 その流れを劇的に変えたのが、2011年に監督に就任したディエゴ・シメオネだ。スタジアムの熱を受けながら、ベンチで闘争心を見せ、選手にスピリットを伝播させ、さらにスタジアム全体を煽った。その結果、士気の高さで相手を打ち破るチームに生まれ変わったのだ。
 
「ピッチでは、その人間性を見せろ!」
 
 シメオネは言う。
 
 ブーイングを克服し、拍手に変えられる選手だけが、最高の舞台に立つことを許されるのだ。 
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
【関連記事】
【セルジオ越後】2019年は本格的に“五輪モード”に入るべきではないだろうか
日本代表に衝撃!中島翔哉と守田英正が痛恨の負傷離脱…追加招集は乾貴士と塩谷司
「美しすぎる!」「まるでK-POPアイドル」韓国女子代表のビーナス、イ・ミナがまさかの制服姿で京都旅行!
【移籍動向一覧】J1・J2・J3 新加入、退団、引退選手&監督動向まとめ(2/25現在)
【ラ・リーガ冬の通信簿|R・マドリー編】480分間ノーゴールという不名誉な記録も…戦術ありきの采配で混乱!
【ラ・リーガ冬の通信簿|A・マドリー編】主砲の大スランプは誤算もリーグ唯一の1敗を維持

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ