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父親はかつての世界王者! リーグ・アンで奮闘する“二世FW”は「真の大器」か? それとも…

カテゴリ:ワールド

ヴァンサン・デュリュック

2018年12月03日

現時点で父を超えるキャリアを築く見込みは…。

11月10日のリーグ・アン13節リヨン戦では2ゴールを記録。友人のリュカ・トゥザール(左)に良いところを見せられた。(C) Getty Images

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 現時点で、マルキュスが父のステージに到達するのは難しいと言わざるを得ない。父リリアンは98年W杯とEURO2000を“連覇”した栄光のメンバーであり、クラブレベルでも、パルマでUEFAカップ、ユベントスではセリエAのタイトルを獲得するなど、そのキャリアは栄光に彩られている。

 一方でマルキュスは、まだソショー、ギャンガンと、小さなクラブでのプレー経験しかない。1部残留が目標のギャンガンや1部昇格のために戦っているソショーでは、父と同じ土俵に立てているとは言えないだろう。

 リリアンは、息子たちが幼い頃から常に寄り添ってきた。長男マルキュスと次男ケフラン(ケフランは現在17歳でモナコBに所属。フランスU-18代表でもプレー)は離婚した母親のもとで育ったが、別れたあとも定期的に彼らの試合をピッチ脇から見守った。そんな父との比較について、マルキュス自身はこのように話している。

「僕は父より身体能力が高いし、テクニックもある。でも、父は強靭なハートを持ち、戦術理解にも優れた偉大なDFだった」
 マルキュスがサッカー選手として父と同じステージに到達するには、まずは“本物のストライカー”に進化を遂げなければならないだろう。11月6日に解任されたギャンガンのアントワーヌ・コンブアレ元監督はこう指摘していた。

「彼はキーパーと1対1で対峙したとき、もっと獰猛なハンターにならなければならない。彼にはまだゴールに対する熱量や、断固とした姿勢が足りない。あとはリラックスする感覚も必要だ。これらの課題を自覚して、もっとコンスタントにゴールを決められるようになること。すべてはそこからだ」

 今シーズンのマルキュスは主に左ウイングで起用されているが、努力を惜しまずプレーの幅を広げ、ポジショニングのセンスを見せている。だが、何がなんでもゴールに迫るんだというストライカーとしての矜持はまだ感じられない。2トップの一角として起用されたここ2試合で3ゴールを奪ったことをひとつのきっかけにできるだろうか。

 父リリアンも21歳当時はまだ、フランス代表に招集されていなかった。ただ、モナコでめきめきと頭角を現わし、代表選出は時間の問題とも言われていた。同じ未招集でも、マルキュスがそう語られている事実はない。2世の“起動スイッチ”が入るのは、まだしばらく先だろう。

文:ヴァンサン・デュリュック(『レキップ』紙)
翻訳:結城麻里

※ワールドサッカーダイジェスト2018.11.1号より加筆・修正

 
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