カーンが考える今のGKに重要なことは?
49歳となっても、時折、見せる鋭い眼差しは現役時代となんら変わっていなかった。
12月2日、都内で元ドイツ代表GKのオリバー・カーンが「ゴールキーパークリニック」を開催。寒空の中で集まった子どもたちに世界基準の守護神になることの極意を伝授した。
カーンと言えば、2002年の日韓ワールドカップでドイツ代表を準優勝に導き、GKとして初となる大会最優秀選手に選ばれたほか、8度のブンデスリーガ、1度のチャンピオンズ・リーグなど、その鬼気迫るセービングの数々で多くの栄冠を勝ち取った名手だ。
そんなかつての世界屈指の守護神も引退から10年の歳月が流れ、今はセカンドキャリアに勤しんでいる。2015年にGKの養成と、その指導者育成を目的とした「Goalplay」という事業を設立して次代の逸材を生み出そうとしている。
そしてこのたび、ブンデスリーガと同事業がパートナーシップを締結し、11月20日から2年間に渡って日本を含めたアジア各国と、米国でのGK養成プログラムを実施。今回の来日は、そのためのプロモーションの一環によるものだ。
とはいえ、その熱意は本物だ。このクリニック終了後には、参加した子どもたちへ「毎日、一歩一歩、前進していくこと、諦めないことを心掛けてほしい。そうすれば、いつかまた会える」と熱いエールを送った。
12月2日、都内で元ドイツ代表GKのオリバー・カーンが「ゴールキーパークリニック」を開催。寒空の中で集まった子どもたちに世界基準の守護神になることの極意を伝授した。
カーンと言えば、2002年の日韓ワールドカップでドイツ代表を準優勝に導き、GKとして初となる大会最優秀選手に選ばれたほか、8度のブンデスリーガ、1度のチャンピオンズ・リーグなど、その鬼気迫るセービングの数々で多くの栄冠を勝ち取った名手だ。
そんなかつての世界屈指の守護神も引退から10年の歳月が流れ、今はセカンドキャリアに勤しんでいる。2015年にGKの養成と、その指導者育成を目的とした「Goalplay」という事業を設立して次代の逸材を生み出そうとしている。
そしてこのたび、ブンデスリーガと同事業がパートナーシップを締結し、11月20日から2年間に渡って日本を含めたアジア各国と、米国でのGK養成プログラムを実施。今回の来日は、そのためのプロモーションの一環によるものだ。
とはいえ、その熱意は本物だ。このクリニック終了後には、参加した子どもたちへ「毎日、一歩一歩、前進していくこと、諦めないことを心掛けてほしい。そうすれば、いつかまた会える」と熱いエールを送った。
そんな元ドイツ代表守護神と話をする機会を得た。数々の記憶に残るシーンを生み出してきた名手の目に、今、日本で活躍するGKたちはどう映っているのか? 直撃すると、「Jリーグなどを専門的に分析できているわけでない」と前置きしたうえで次のように答えてくれた。
「ただ、代表レベルに関していえば、分析している。その中では、日本のA代表というよりも若いアンダーカテゴリーの方に注目して見ているよ」
さらにブンデスリーガ通算781試合に出場し、カールスルーエとバイエルンで一時代を築き、多くの経験値を得ているカーンは、今のGKにおいて重要なことをどう考えているのか? と問うと、「おお!」と少しばかり驚いた反応をした直後に次のように返された。
「たくさんあるよ。ただ、今と昔とでは概念が変わっていることは言わなきゃならない。昔は文字通り『ゴールキーパー』と言われていたけど、今は『ボールプレーヤー』という言い方になっていて、要は11人目のフィールドプレーヤーという考え方になっている。
モダンなゴールキーパー、いや、ボールプレーヤーは足下とか技術面に関して昔よりも多く学ばなければいけなくなってハードルは高くなっている。だからキーパーとしてではなくフィールドプレーヤーとして取り組まないといけないだろうね。
改善方法はいくつもある。私も年齢で言うと36とか37の頃に毎日のように『どうやったら自分が上達できるか』を考えていた。ゴールキーパーというポジションは本当に難しいから毎日でも課題はある。クロスをキャッチしたり、1対1のシチュエーションだったり、セービングしたり、キックとかのテクニカルな部分もそうだ。毎日、毎日、違う部分を改善していくことが大切だろう」
ゴールキーパー大国と言われるドイツで、幾多の試練をくぐり抜けてきた百戦錬磨の元守護神カーン。その言葉には、確かな説得力と重みがあった。
取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
「ただ、代表レベルに関していえば、分析している。その中では、日本のA代表というよりも若いアンダーカテゴリーの方に注目して見ているよ」
さらにブンデスリーガ通算781試合に出場し、カールスルーエとバイエルンで一時代を築き、多くの経験値を得ているカーンは、今のGKにおいて重要なことをどう考えているのか? と問うと、「おお!」と少しばかり驚いた反応をした直後に次のように返された。
「たくさんあるよ。ただ、今と昔とでは概念が変わっていることは言わなきゃならない。昔は文字通り『ゴールキーパー』と言われていたけど、今は『ボールプレーヤー』という言い方になっていて、要は11人目のフィールドプレーヤーという考え方になっている。
モダンなゴールキーパー、いや、ボールプレーヤーは足下とか技術面に関して昔よりも多く学ばなければいけなくなってハードルは高くなっている。だからキーパーとしてではなくフィールドプレーヤーとして取り組まないといけないだろうね。
改善方法はいくつもある。私も年齢で言うと36とか37の頃に毎日のように『どうやったら自分が上達できるか』を考えていた。ゴールキーパーというポジションは本当に難しいから毎日でも課題はある。クロスをキャッチしたり、1対1のシチュエーションだったり、セービングしたり、キックとかのテクニカルな部分もそうだ。毎日、毎日、違う部分を改善していくことが大切だろう」
ゴールキーパー大国と言われるドイツで、幾多の試練をくぐり抜けてきた百戦錬磨の元守護神カーン。その言葉には、確かな説得力と重みがあった。
取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)