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【識者の視点】ザックJ初期を想起させる森保Jの上昇ムード。問題は所属チームの格が上がった時だ

カテゴリ:日本代表

加部 究

2018年11月17日

競争原理を貫き、いかにチームの活力を保てるか? 喫緊の課題は長友の代役探しか

ステップアップ移籍が噂される中島(左)と堂安(右)だが、所属クラブの格が上がれば上がるほど、コンディション維持は難しくなるというテーマを克服していかなければならない。(C) SOCCER DIGEST

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 鮮やかなスタートダッシュの先には、きっと頓挫するポイントもやって来る。現実に柴崎岳や吉田麻也は所属クラブで完全に出番を失っているし、遠藤航や大迫勇也も苦戦を強いられている。大迫はハリル時代から替えの利かないピースだが、ずっとドイツでは同じ役割を担っていない。日本代表が継続的な戦い方を追求するなら後継の最有力候補は鈴木優麿になるが、武藤嘉紀、久保裕也、鎌田大地ら他にも有能なFWが存在する以上、別の方法も視野に入れるべき時が来る。
 
 これは日本のような輸出国にとってしばらくは続くテーマで、所属チームの格が上がるほどコンディション維持は難しくなる。どうしてもクラブではベンチを温めているのに、代表では指定席が用意される矛盾が起こるのだ。そして試合勘が鈍りコンディションが低下した選手を重用し続けると、やがて少しずつチームのパワーは低下していく。もちろん代表監督には自らの志向に基づく選考をする権利があるが、公平性を担保し競争原理を貫きながらチームの活力を保つのが重要なテーマになる。
 
 ただしそれも今のところは未来への漠たる危惧に過ぎない。現状ではリーグ戦で出番の少ない選手たちも、大過なく機能している、だがもし年明け開催のアジアカップが、絶対に落とせないタイトルだと考えるなら、ひとつだけ喫緊の課題が浮上する。長年日本のストロングポイントだった長友の後継者探しである。車屋紳太郎が故障明けで、今回招集された佐々木翔、山中亮輔は、ともに左利きという特性があり、佐々木にはCBもこなす高さ、山中にはキックの強度と精度という武器がある。しかし当然、総合力ではセリエAのトップレベルで経験を積み重ねてきた長友の比ではない。今、目の前のタイトルを獲るのがノルマだとするなら、長友の回復を待つだけではなく、併行して酒井高徳の翻意を促すべきかもしれない。
 
文●加部 究(スポーツライター)
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