「3枚のサイド」に適性のある即戦力の補強が不可欠。
その一方で、肝心の3バックが人材不足という問題を抱えている。ネマニャ・ヴィディッチ(インテルへ)、リオ・ファーディナンド(QPRへ)の退団で駒自体が不足しているうえに、既存のセンターバック陣はいずれも3バックへの適性がそれほど高くないのだ。
現状では、ジョーンズ、クリス・スモーリング、ジョニー・エバンスのレギュラークラスに、マイケル・キーン、タイラー・ブラケットというユース出身の選手を加えた5人が陣容のすべてだ。MFのダレン・フレッチャーやマイケル・キャリックが対応するとはいえ、急場凌ぎにすぎない。
ジョーンズ、スモーリング、エバンスの3人は、「3枚の中央」はこなせても、ビルドアップ能力やサイドに流れての対人守備が求められる「3枚のサイド」は厳しい。左利きの20歳のブラケットが、このポジションの適性を持った唯一といっていい人材だ。
センターバック、わけても「3枚のサイド」を高水準でこなせる即戦力の補強が、したがって不可欠だ。ドルトムントでプレーするドイツ代表のマッツ・フンメルスが獲得候補として取り沙汰されているのは、決して偶然ではない。ドイツのワールドカップ優勝に大きく貢献したフンメルスは、長短織り交ぜた正確無比のフィードを持つ。
同じく噂に上っている名前では、オランダ代表でファン・ハールに師事したブルーノ・マルティンス・インディ(フェイエノールト)が適材だ。一方で、アーセナルのトーマス・ヴェルメーレンは、左利きで足下の技術が高いものの、パス出しのタイミングが悪く、「3枚のサイド」では思うように機能しないだろう。
ファン・ハール監督は、「新しい戦術が機能するには少なくとも3か月はかかる」としているが、機能性がすでに一定のレベルに達していることは、強豪相手に無敗で終えたアメリカ遠征での好成績が証明している。
昨シーズンは「夢の劇場(本拠地オールド・トラフォードの異名)」で悪夢を見たサポーターは、いま、期待に胸弾ませているはずだ。
文:内藤秀明
現状では、ジョーンズ、クリス・スモーリング、ジョニー・エバンスのレギュラークラスに、マイケル・キーン、タイラー・ブラケットというユース出身の選手を加えた5人が陣容のすべてだ。MFのダレン・フレッチャーやマイケル・キャリックが対応するとはいえ、急場凌ぎにすぎない。
ジョーンズ、スモーリング、エバンスの3人は、「3枚の中央」はこなせても、ビルドアップ能力やサイドに流れての対人守備が求められる「3枚のサイド」は厳しい。左利きの20歳のブラケットが、このポジションの適性を持った唯一といっていい人材だ。
センターバック、わけても「3枚のサイド」を高水準でこなせる即戦力の補強が、したがって不可欠だ。ドルトムントでプレーするドイツ代表のマッツ・フンメルスが獲得候補として取り沙汰されているのは、決して偶然ではない。ドイツのワールドカップ優勝に大きく貢献したフンメルスは、長短織り交ぜた正確無比のフィードを持つ。
同じく噂に上っている名前では、オランダ代表でファン・ハールに師事したブルーノ・マルティンス・インディ(フェイエノールト)が適材だ。一方で、アーセナルのトーマス・ヴェルメーレンは、左利きで足下の技術が高いものの、パス出しのタイミングが悪く、「3枚のサイド」では思うように機能しないだろう。
ファン・ハール監督は、「新しい戦術が機能するには少なくとも3か月はかかる」としているが、機能性がすでに一定のレベルに達していることは、強豪相手に無敗で終えたアメリカ遠征での好成績が証明している。
昨シーズンは「夢の劇場(本拠地オールド・トラフォードの異名)」で悪夢を見たサポーターは、いま、期待に胸弾ませているはずだ。
文:内藤秀明