日本を圧倒したサウジアラビアも、世界に行けば「3戦全敗かもしれない」
これで内容面も上向いたかに見えたが、アディショナルタイムに落とし穴。左サイドからの突破を許しての失点で万事休す。2点のビハインドは重く、相手にボールを支配されて足を使い過ぎていた影響もあり、MF久保建英が入って攻撃の打開点が作られた後半は内容面で大幅に改善したものの、スコアを動かすことはできなかった。
試合としては力負けの印象も強く、単純に相手のサウジアラビアが手強い相手だったということは確かだろう。9月のメキシコ遠征の親善試合で対戦している「U-19ブラジル代表より強い」という声も複数聞かれたほど。選手やスタッフの実感としても公式戦で当たるサウジアラビアは、親善試合のブラジルより手強く感じられたわけだ。
ただ、前U-20日本代表監督である内山篤団長が「世界大会に行けば、あれを上回る個はいくらでもいるし、サウジアラビアの攻撃も、世界大会なら欧州や南米の代表国ならきっと止めるよ。彼らだって3戦全敗かもしれない」と指摘したように、基準を変えれば見方も変わる。アジア基準で言えば、サウジアラビアのクオリティは抜きん出たものがあったわけだが、世界基準からいけば、そうでもない。そうした「基準」が提示されたことはポジティブに捉えたい。
試合としては力負けの印象も強く、単純に相手のサウジアラビアが手強い相手だったということは確かだろう。9月のメキシコ遠征の親善試合で対戦している「U-19ブラジル代表より強い」という声も複数聞かれたほど。選手やスタッフの実感としても公式戦で当たるサウジアラビアは、親善試合のブラジルより手強く感じられたわけだ。
ただ、前U-20日本代表監督である内山篤団長が「世界大会に行けば、あれを上回る個はいくらでもいるし、サウジアラビアの攻撃も、世界大会なら欧州や南米の代表国ならきっと止めるよ。彼らだって3戦全敗かもしれない」と指摘したように、基準を変えれば見方も変わる。アジア基準で言えば、サウジアラビアのクオリティは抜きん出たものがあったわけだが、世界基準からいけば、そうでもない。そうした「基準」が提示されたことはポジティブに捉えたい。
「僕らは『タレント集団』なんて皆さんから言われていましたけれど、それは日本におけるタレントなのか、世界におけるタレントなのか。アジアの基準で言えば、サウジアラビアはタレント多いですよね。でも、本当に世界で戦えるタレントなのか。もっともっと日本の基準を上げて、『世界で戦えるタレント』と言われる選手を増やす必要がある」(影山監督)
正直言って楽勝な試合もある中で世界への出場権を獲得した流れで迎えた準決勝。そこでガツンと一発殴られるようなショッキングな試合内容の敗戦を経験したこと、それによって半年後に向けてもう一度謙虚になって成長していく必要性を実感できたことは悪いことではないとも思う。上へ行く選手というのはこうした悔しさを糧にできる選手たちでもあるし、自分の成長に対してどん欲な選手である。
「世界大会まで半年しかないけれど、そこで優勝するためには、一人ひとりがもっともっと自分を磨かないといけない」
そう言ったのは、準決勝に出場せずに敗戦を見届けた主将の齊藤だった。まずはそれぞれがJリーグの試合に継続して出場する立場をチーム内で掴み、そこで戦いながら自分を磨くこと。「半年しかない」とは言うものの、半年あれば化ける選手も出てくるのがティーンエイジャーの強み。来年5月、ポーランドで行なわれるU-20ワールドカップにおいて、「世界の基準」で“タレント”と評価される選手がひとりでも多く出てくることを期待したい。
取材・文●川端暁彦(フリーライター)
正直言って楽勝な試合もある中で世界への出場権を獲得した流れで迎えた準決勝。そこでガツンと一発殴られるようなショッキングな試合内容の敗戦を経験したこと、それによって半年後に向けてもう一度謙虚になって成長していく必要性を実感できたことは悪いことではないとも思う。上へ行く選手というのはこうした悔しさを糧にできる選手たちでもあるし、自分の成長に対してどん欲な選手である。
「世界大会まで半年しかないけれど、そこで優勝するためには、一人ひとりがもっともっと自分を磨かないといけない」
そう言ったのは、準決勝に出場せずに敗戦を見届けた主将の齊藤だった。まずはそれぞれがJリーグの試合に継続して出場する立場をチーム内で掴み、そこで戦いながら自分を磨くこと。「半年しかない」とは言うものの、半年あれば化ける選手も出てくるのがティーンエイジャーの強み。来年5月、ポーランドで行なわれるU-20ワールドカップにおいて、「世界の基準」で“タレント”と評価される選手がひとりでも多く出てくることを期待したい。
取材・文●川端暁彦(フリーライター)