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【小宮良之の日本サッカー兵法書】 育成環境ではなく「地域の特性」が名手を“量産”するケースも!

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年11月02日

伝統競技が自然とサッカーの練習になっている場合も

日本でも当然、地域によって独自の文化や自然があり、人の気質なども異なる。これがサッカーにどう繋がるかを改めて考えてみるのも面白い。 (C) Getty Images

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 もうひとつ、バスク人はスペイン人のなかでは、目に見えて大柄で、骨格も逞しい。そのせいで、力強さを尊ぶ文化が根付いてきた。巨大な石を持ち上げたり、大きな丸太を斧で断つスピードを争う、精強さを競うスポーツが、今でも地域では親しまれている。
 
 先日までレアル・マドリーの監督を務めていたジュレン・ロペテギも、マドリー、バルセロナでプレーしたGKだったが、祖父、父は石持ち上げ競技のチャンピオンだ。
 
 バスク・スポーツの進化形のひとつが、「ペロタ・バスカ」だろう。
 
 スカッシュに似ているが、素手で堅いボールを壁に打ち返すのは至難の業。当然、痛みも伴う。一方で、ボールを打ち返すインパクトの強さ、そして巧さも欠かせない。
 
 それが、「自然とGKのトレーニングになっている」といわれる。ボールの軌道を見極め、空中のボールをしっかりと掴む、もしくは激しく弾く。そして、粘り強く、集中力を切らさない。それは、ゴールキーピングに近い動きと言えよう。
 
 バスクでは、小さな町にも必ずサッカー場があるものだが、ペロタ・バスカの競技場(フロントン)は、小さな村にまで存在する。サッカーと並ぶ人気スポーツとして、バスクの人々に親しまれているペロタ・バスカは、なくてはならない“日常”と言えるだろう。
 
 ちなみに、今やスペイン代表正GKの座を争っている前述のケパも、ペロタ・バスカの愛好者として知られる。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
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