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これぞカップ戦の醍醐味!湘南が見せた"横浜対策"と独自のスタイルで手にした初戴冠の価値

カテゴリ:Jリーグ

佐藤俊

2018年10月28日

カップ戦では中堅チームが独自のスタイルで意地を見せることができる

ウイングバックの岡本(36番)がサイドを制圧したことで、湘南は優位に試合を進められた。写真:田中研治

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 ここまで徹底して山中封じを講じてくるとは横浜も想定していなかっただろう。山中からの展開を封じられることで天野純の脅威を半減させられ、リーグ戦の湘南戦でハットトリックを決めたウーゴ・ヴィエイラはほとんど仕事ができなかった。
 
 相手のストロングポイントを消し、湘南の良さを生んだひとつの要因が岡本の右サイド制圧だったのだ。
 
 岡本にとって、かつての聖地である埼玉スタジアムで結果を出したことは感慨深いものがあっただろう。前所属の浦和レッズではなかなかチャンスを掴めず、湘南にサッカー人生を賭けて移籍してきた。最初は湘南のサッカーにうまく馴染めなかったが、徐々に自分の良さをプレーで表現できるようになった。岡本よりも1年早く湘南に期限付き移籍していた山田直輝は湘南で輝きを取り戻し、昨シーズン終了後、浦和に帰還した。

 だが、岡本は「もっと成長したい」と期限付き移籍の期間を延長して湘南でプレーすることを決めた。そして、3年目の今シーズン、サイドから仕掛けるプレーで好調を維持し、14節の清水戦から30節の札幌戦までスタメン出場を果たしている。
 
 優勝を決めた瞬間、岡本は涙を流し、勝利の味を噛み締めていた。
 湘南にレンタル期間を延長した決断が、ひとつの成果となって表れた瞬間だった。
 
 曺監督は優勝した瞬間、ひれ伏して泣いた。
 3年前のルヴァンカップの決勝、鹿島アントラーズ対ガンバ大阪の試合を観て、選手に個のピッチに立たせて経験させてやりたいと思ったという。その時は、鹿島がG大阪を終始圧倒し、強さを見せつけて優勝した。今回、湘南はその時の鹿島同様、前半は横浜を圧倒した。後半は横浜の攻勢を受け、苦しんだ分、優勝の喜びは、あの時の鹿島以上に大きかったように見えた。リーグ戦では優勝はなかなか難しいが、カップ戦では中堅チームが独自のスタイルで意地を見せることができる。それを優勝で証明した湘南は、この日、勝者だけが得られるなにかを得て、新しい歴史の扉を開いた。
 
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)
 
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