メッシ復帰後に注目に値するのが、スアレスの処遇だ。メッシの親友であり外しにくい選手ではあるが、現在の調子が続けば遅かれ早かれ決断に迫られるだろう。そこで浮上しそうなのが、メッシをペップ・グアルディオラ時代に躍動したファルソ・ヌエベ(偽9番)として起用し、左右両サイドにデンベレとコウチーニョを配する形だ。
デンベレは強烈なシュートを武器に、スペイン・スーペルコパの決勝点を皮切りにここまで公式戦5得点とゴールセンスの高さを示している。もちろん、最大の武器であるスピードに乗ったドリブルの切れ味は一級品だ。縦にも中央にも仕掛けて敵陣深くまで持ち込み、クロスやシュートを狙うプレーはまさに変幻自在。逆サイドのコウチーニョとともに両サイドの幅を広げ相手DFのマークを分散させることができれば、それだけメッシが輝く可能性も増してくる。
イバン・ラキティッチも「スピードで違いを作り出すことができる稀有な選手だ。どんなDFをもキリキリ舞いにしてしまう」とそのドリブルを高く評価。戦術理解力に課題を残すが、その粗削りさゆえにデンベレは大きな可能性が秘めているし、バルサのチームアタックを高みに導く力を持っている。
文:ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙/バルセロナ番記者)
翻訳:下村正幸
