豪華な外国人助っ人とともに歩んできたレアル・マドリーの輝かしき歴史

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2014年08月02日

ボスマン裁定、銀河系軍団構想…グレードを高めた事象の数々。

ペレス会長の到来とともに「銀河系軍団」が誕生。2003-2004シーズンにはフィーゴ、ジダン、ロナウド、ベッカムが同じピッチに立つことに。しかし、チームの心臓である守備的MFのクロード・マケレレ(フランス)が退団したことで、バランスは微妙に狂い始めた。 (C) Getty Images

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 クラブ史上初のイタリア人監督ファビオ・カペッロを迎えた96年には、ボスマン裁定によってEU圏内での外国人枠が撤廃。ドイツのボド・イルクナー、カペッロ監督がミランから連れてきたクリスティアン・パヌッチ、オランダのクラレンス・セードルフ、ユーゴスラビア(現セルビア)のプレドラグ・ミヤトビッチ、クロアチアのダボル・シュケル、そしてロベルト・カルロスなど、GKからFWまで多くの外国人選手が加入した。
 
 97年にはフランスのクリスティアン・カランブーを加え、このシーズンに66年以来のチャンピオンズ・リーグ制覇を達成。その後も99年にフランスの新星ニコラ・アネルカを獲得したR・マドリーだが、さらにクラブのグレードを高めることになったのが、2000年のフロレンティーノ・ペレス会長就任だ。
 
 当時、バルセロナでプレーしていたルイス・フィーゴの獲得、さらに毎年、ワールドクラスのスター選手を獲得して「銀河系軍団」を創成することを公約に掲げたペレスが会長となったことで、R・マドリーは、これまで以上に世界中からの注目を浴びる存在となったのである。
 
 01年にジネディーヌ・ジダン、02年にロナウド、03年にデイビッド・ベッカムと年々豪華さを増したていったが、その一方で偏った補強(前線の選手ばかり増えて守備的MFが不足)で逆にチーム力は安定せず、04年から2シーズンは無冠に終わるなど、クラブの方針が疑問視されることもあった。
 
 しかし06年にカペッロ監督が二度目の指揮で現実的なチーム作りで基盤を整えると、以降は09-10シーズン以外、全てのシーズンでタイトルを獲得してきた。その一方で、08年にはクリスチアーノ・ロナウドとカカというビッグネームを同時に迎え入れるなど、クラブの基本的方針は何ら変わることがなかった。
 
 もちろん、R・マドリーを輝かせるのは外国人選手だけではない。66年に欧州制覇を果たしたチームは国内選手で構成されたものだったし、何よりEURO2008以降、スペイン代表自体が世界で最も価値の高いブランドとなったことで、R・マドリーもシャビ・アロンソのような他国リーグでプレーしていたスペイン代表選手を獲得したり、これまで以上に国内産の逸材の獲得に積極的となっている。
 
 とはいえ、世界一を自負するクラブには世界から到来したトッププレーヤーが必要だ。その図抜けた実力でチームの勝利を保証しながら、さらに豪華さというプラスアルファの彩りを添える要素も……。歴代移籍金ランキングでは、ガレス・ベイル(推定1億ユーロ)を筆頭に、C・ロナウド、ジダン、カカ、フィーゴと、上位のほとんどを占めているR・マドリーだが、今シーズン、ハメス・ロドリゲス(推定8千万ユーロ)がこれに加わった。
 
 常に強者であると同時に、魅力的な集団として歴史を紡いできたR・マドリー。その揺るがぬ哲学は、今後も永久に続いていくのだろう。それはつまり、観る者にとっても永遠に楽しみや興味が続くことを意味している。
 
 
◆2000年以降にR・マドリーが獲得した主な外国人選手
<2000-2001>
フィーゴ(MF・ポルトガル)、ソラーリ(MF・アルゼンチン)、マケレレ(MF・フランス)
<2001-2002>
ジダン(MF・フランス)
<2002-2003>
ロナウド(FW・ブラジル)
<2003-2004>
ベッカム(MF・イングランド)
<2004-2005>
オーウェン(FW・イングランド)、サムエル(DF・アルゼンチン)、グラベセン(MF・デンマーク)
<2005-2006>
ロビーニョ(FW・ブラジル)、J・バチスタ(FW・ブラジル)、カッサーノ(FW・イタリア)
<2006-2007>
カンナバーロ(DF・イタリア)、ファン・ニステルローイ(FW・オランダ)、エメルソン(MF・ブラジル)
<2007-2008>
スナイデル(MF・オランダ)、ロッベン(FW・オランダ)、サビオラ(FW・アルゼンチン)
<2008-2009>
ファン・デルファールト(MF・オランダ)
<2009-2010>
C・ロナウド(FW・ポルトガル)、カカ(MF・ブラジル)、ベンゼマ(FW・フランス)
<2010-2011>
ディ・マリア(MF・アルゼンチン)、エジル(MF・ドイツ)、ケディラ(MF・ドイツ)
<2011-2012>
コエントラン(DF・ポルトガル)、シャヒン(MF・トルコ)
<2012-2013>
モドリッチ(MF・クロアチア)
<2013-2014>
ベイル(MF・ウェールズ)
<2014-2015>
クロース(MF・ドイツ)、J・ロドリゲス(MF・コロンビア)
 
 
【写真で見る】スターとともに歩んだレアル・マドリーの歴史(1955~2014)

2009-2010シーズンにC・ロナウドとカカ(前列右から1、2人目)を獲得したのには、さすがに世界中のファンも驚いた。その一方でクラブは、国内選手の獲得にも金を惜しむことなく、シャビ・アロンソ(後列中央)をリバプールから引き抜いた。 (C) Getty Images

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