守備時にも攻撃のイメージができるか!?
アルベルト・ザッケローニ時代は、華やかな攻撃サッカーが勢を誇ったことで、日本代表は次第に攻めに人数をかけ過ぎるようになり、それがブラジル・ワールドカップでは仇となった。
「リスクマネジメント」
その徹底が不十分なのが、日本サッカーの状況なのだろう。
「リスクマネジメント」
その徹底が不十分なのが、日本サッカーの状況なのだろう。
守備は人数を揃えれば成立するという代物ではない。日本サッカーでは、未だに数的優位の幻想が根強くある。しかし、局面での数的優位は当然、違う局面での数的不利を意味する。肝要なのは、ポジション的優位である。攻撃であれ、守備であれ、良いポジションを取って準備で上回れるか。
守備に回った時に攻撃もイメージしているチームは、Jリーグにはまだ少ない。それゆえ、カウンターは少なく、決まるとしても、場当たり的か、オープンになった時間帯ということがほとんどだ。
攻撃にも、守備にも、強迫観念を持たず、良いポジションを取って、局面での(スキルを含めた)強度で優る、というトレーニングを積み重ねるべきなのである。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。