【仙台】不屈の36歳・梁勇基。ズシリと響いた「俺、やっぱりサッカーが好きやな」

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェスト)

2018年08月23日

「もっと見ていたかった」という記者の言葉に――

1-1で迎えた前半のアディショナルタイムには、狙いすましたCKからジャーメイン(19番)のゴールをアシストしてみせた(中央の10番が梁)。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 久しぶりのスタメンとなった天皇杯・4回戦の横浜戦。2ボランチの一角で出場した梁は、65分に途中交代を命じられる。「もっと見ていたかった」という記者の言葉に、申し訳なさそうにこう答えた。
 
「連戦を考えれば、(2ボランチでコンビを組んだ)奥埜(博亮)を休ませられるように頑張りたかったけど、結果的に俺のほうが先に変わってしまって……。あいつにはちょっと悪いことをしたなと思います」
 
 選手であれば当然、フル出場したかったはず。それでも、自分のことより他人を気遣えるその人柄も、梁の魅力のひとつだ。
 
 その横浜戦で、開始早々に身体を投げ出したスライディングタックルでボールを奪うシーンがあった。非常に気持ちのこもったプレーには、梁なりの狙いがあったようだ。
 
「今日はスタメンで久しぶりに出たメンバーもいた。リーグ戦の後の練習とか、たぶんみんな悔しさを持ちながらやっていたはずだし、“結果を出さないと”っていう気持ちだったと思う。それだけに、試合の入りで、勢いが出るというか、前向きなプレーにつながればいいかな、と」
 
 その久々の先発組のひとり、大卒ルーキーのジャーメイン良は、前半終了間際にセットプレーから1ゴールを記録して好アピールに成功。正確なCKからジャーメインのゴールをお膳立てしたのは、梁だった。
 
 このまま終わるわけにはいかない。一歩引いてチーム全体を見渡すことはあっても、試合に出られなければ「悔しさが自然とわいてくる」。それがサッカーを続ける原動力にもなっている。ただ、余計な力は入っていない。「1日1日、しっかりサッカーと向き合って、あとはなるようになるかな」と柔らかい笑顔を浮かべる。
 
「契約ごとだし、現役を続けたくても、続けられない選手もたくさんいる。ただ、もし仮に自分がそうなった時に、ちょっとでも悔いがないようにしたい。だから、毎日サッカーを楽しみながら、精一杯やりたい」
 
 誰もが認める仙台のバンディエラ――真摯に、純粋にサッカーを愛する不屈の36歳は、まだまだこれからも逞しく走りつづける。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 

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