「ボールを持ったら、凄いのは分かっていたけど、高校のレベルだと止められないね」

　多くの選手を見続けてきたスカウトも、富山一戦のプレーは別格だったとした。

　続けてそのＪクラブのスカウトは、「実力は抜けている。余裕もあるし、ほかの選手とも違う。誰もが分かる凄さですよ」と西川をさらにべた褒め。

　高質な左足と類まれなドリブルスキルは高校年代で飛び抜けており、今回のインターハイが「西川の大会になる可能性」すら感じたという。
 
　ただ、課題があるのも事実だ。「ボールを持っていないところでの動きは課題。これを改善してチームを勝たせる選手になって欲しい。もっとやれるはずなので」とそのスカウトは話し、より一層高いレベルを目指して欲しいと期待を寄せた。
 
　11日の準決勝・昌平戦で西川は再び観る者を唸らせるのか。西川自身も「得点王とチームの優勝を狙っている」と意欲は十分だ。Jスカウト陣から注目を集める逸材の勢いはまだまだ止まりそうにない。

取材・文●松尾祐希（サッカーダイジェストWeb編集部）