【総体】熱中症対策は十分だったか?主催者やJFA、各チームが講じた施策と効果

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

2018年08月20日

各チームも独自に熱中症を予防。なかには栄養士に助言を求めた学校も

クーリングブレイク中には大会側が用意したミストファンが活躍。各チームの創意工夫も多く見られた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 独自の取り組みと合わせ、主催者はJFAの通達を受けてミストファンと氷を1試合ごとに各チーム4貫(1貫=3.5㎏)支給。加えて、バケツとスポンジを各ふたつずつ合わせて渡し、氷水をスポンジに吸収させて直接身体に掛けられるようにした。

 そうしたバックアップのなかで、各チームも独自の方法で熱中症対策に取り組んでいた。
 
 例えば、ベスト4に入った東山は散水機を有効に活用。霧状の水がノズルの先から出る優れもので、「大会前に買ってきてもらったんですよ」と福重良一監督が話したように、大会前に暑さ凌ぐ方法のひとつとして導入した。

​​​​​ 一方、食事面から暑さ対策を講じているチームも多かった。サプリメントやゼリー状のドリンクで瞬時に栄養補給する試合間の捕食は今や定番だ。加えて、札幌大谷などは、田部学監督が「栄養士を通じてホテルなどに食事を細かくオーダーしていました」と言うように、疲労回復も含めて食事に力を入れていたという。
 
 大会初日に栄養士を呼んだ札幌大谷の主将・濱田雄也(3年)は「毎日来てもらっているわけではないですけど、7日はホテルに来てくれました。あとインターハイ前の大会にも来てもらえたので、そこで暑さに慣れるということも栄養的な観点からアドバイスをしてもらいました。なので、走れるようにご飯を多く食べたりしたことは大きかった」と話しており、実際に効果はあったようだ。
 

 様々なアイテムや施策が登場するなかで、今大会に常駐している看護師の方に話を聞くと、もっともな答が帰ってきた。
 
「室内を併設していない会場は、なにかあった時に冷房の利いた部屋を準備できないのは難しい」
 
 インターハイはすべての試合をスタンド付きの競技場でやっているわけではない。今大会は1回戦から3回戦までは、屋内設備がないピッチで行なう試合もあった。

 屋根がない会場は屋内施設から少なからず離れており、不測の事態が起こった際に即座に対応できるわけではない。会場の問題も今後の課題として検討すべきだろう。
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