"おじさんジャパン"は4年前と何が違うのか?重鎮たちの言葉から探る日本代表の実情

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2018年06月30日

指揮官の動じない姿勢は、選手にとって分かりやすい

西野監督の選択に選手たちが迷わずついていく。日本代表の団結力は見事だ。(C)Getty Images

画像を見る

「勘違いしていけないのは、僕らは11対11の試合に勝てていない。コロンビア戦も結局、相手が10人という中で90分戦っての結果。勝つことは大事ですけど、結局真っ向勝負をして勝ったわけじゃないんで。そこは自分たちの実力を忘れてはいけない。勝っていないところは自分たちをちゃんと見つめ直さないといけない。ポーランドは、世界8位のチームなので、自分たちの足下を見て戦わないと、足をすくわれてしまう」
 
 長友は、勝点4を取って過信してしまうところをあえて締めたわけだが、他の選手たちも冷静だった。吉田麻也も同じことを言っていたし、岡崎もだ。試合に出ていない若い選手はもうひとつピンと来ないかもしれないが、先輩たちが過信も油断もしない緊張感を漂わせていれば、自然とそういうものが伝播していく。代表チームの中で引き継がれていく大事なものは、そういう経験なのだ。
 
 長友の言葉を借りれば、日本はポーランドに敗れ、足をすくわれた形になった。ただ、長谷部誠が入ってから8分間にはチームと選手たちの自信が見えた。
 
 この試合で日本が最終的に勝ち取らないといけないのはポーランド戦の勝利ではなく、決勝トーナメント進出という結果である。ブーイングが出たとか、戦術的に消極的だと言われても、目的がある以上、それを優先し、そのために手段を遂行するのが優先すべきこと。それを見事に、安全にやり切ったのは、ここまで勝点を積み上げてきた選手たちの力であり、勝点4を掴んできた自信である。
 
 それはイコール指揮官への信頼でもあろう。
 
 指揮官の動じない、やり切るんだという姿勢は、選手にとって分かりやすい。しかも結果が出ているので、選手は信じてプレーできる。すべてを管理的にやっているわけではないので、選手たちも楽しそうにプレーしている。そこがアンカーを置いてまず守るというひとつのやり方しかなかった南アフリカ大会との決定的な違いだ。
 
 ポーランド戦、ここまで自分たちが結果を積み上げてきたことで最後は負けているのにボールを回し、敗れても大きな果実を手にした。
 
【関連記事】
スタメン情報漏洩について。長友佑都が涙目で異例の嘆願
【日本代表】ターンオーバーと時間稼ぎ、"ふたつの賭け"は理に叶っていたのか?
【ポーランド戦|記事一覧】解説:セルジオ越後、金田喜稔、松木安太郎、採点&寸評、プレー分析、PHOTOギャラリーetc.
不動の右SB酒井宏樹が語るベルギー対策は「とにかく連係しかない」
本田圭佑がSNSでポーランド戦先発的中のメディアに苦言「練習は非公開やったわけで」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ