男女ともにイランに敗北… 国内リーグの強化によって代表チームの強化へ
――若い世代の強化を進める背景には、どのようなお考えがあるのでしょうか?
「残念ながら、今のアジアでは、どうしてもイランの壁が厚くて勝てない。イランではフットサルの人気が高くて各地ですごくお客さんが入っていて、戦争の影響もあって若い人が多いんです。その若い層に安定してフットサルが定着している背景もあって、ライバルとしてそれが非常に大きいんだろうなと。そのイランにこれからどうやったら勝てるのかと。
(先だってアジア選手権決勝でイランに負けてしまった)女子日本代表にしても、我々の方がリーグ戦はしっかりとしていると思うのですが、またそこでストライカーも育ってきているのに、それでも負けてしまうのかなと残念に思うんです。イランは強化試合を柱に集中した強化を図ってきたんだろうけど、我々はリーグ強化だなと。なので男子にしても女子にしても国内リーグでの強化が我々の強みだと思っているんです。
男子の目標は、2020年ワールドカップへきちっと出場して、決勝トーナメントへ進出することが当面の目標になり、女子はユースオリンピックも含め成果を出してほしいと思うなかで、次のアジア選手権では男女共にチャンピオンになってもらえることを考えなくては駄目なんだろうなとは思っています。だからそこが狙いなのかなと』
――そのためにはFリーグ(国内リーグ)強化が必要だということですね。
「国内リーグの持つ意味って大きいんだと思っているんです。日本でも子どもさんたちにフットサルをもっと楽しんでもらって、その中から進路を決めるような子が増えて行くようにならなきゃいけないなと、それをいつの日かやりたいなと思っています。でも上手くいかなくて、本当に悩んでいるんですよ(苦笑)。
フットサルが盛んな国の理由のひとつに、気温の問題もあると思うんです。東南アジアは暑い国が多くて、旧ソビエト連邦の国々は物すごく寒い時期が多いじゃないですか。だからインドアスポーツが伸びる理由がある訳で。日本も北海道から沖縄まである中で、北海道にしても東北にしても冬場は外が使えなくなる。屋内でしかやれないという地域は多いし、逆に暑い地域だと熱中症になっちゃうからやはりインドアってなるだろうし。そういうのが自然になっていくんじゃないかなと思うし、そうなってくるとフットサルの位置づけがもっとハッキリとしてくるんじゃないかなと思っているんです」
インタビューは終始、絶やさぬ笑みと心地良いトーンで話してくれたのだが、話の内容は楽観的なものではなく、強い危機感を感じるものだった。そして「AFCでフットサルの重要性を説き、普及に尽力されたのはミスター・オグラだ」と、タイで以前、フットサル関係者から聞いた話を思い出す機会にもなった。
12年目を迎えたFリーグ、今季からディビジョン2(F2/8クラブ)を新設、また23歳以下からなるFリーグ選抜がディビジョン1(F1/11クラブ+1選抜)へ参戦することになる。
競技自体には人を魅了する力を備えていると信じて疑わない。あと、その機運を高めるのは、フットボールファミリーの後押しだ。
取材・文●佐々木裕介(フリーライター)
「残念ながら、今のアジアでは、どうしてもイランの壁が厚くて勝てない。イランではフットサルの人気が高くて各地ですごくお客さんが入っていて、戦争の影響もあって若い人が多いんです。その若い層に安定してフットサルが定着している背景もあって、ライバルとしてそれが非常に大きいんだろうなと。そのイランにこれからどうやったら勝てるのかと。
(先だってアジア選手権決勝でイランに負けてしまった)女子日本代表にしても、我々の方がリーグ戦はしっかりとしていると思うのですが、またそこでストライカーも育ってきているのに、それでも負けてしまうのかなと残念に思うんです。イランは強化試合を柱に集中した強化を図ってきたんだろうけど、我々はリーグ強化だなと。なので男子にしても女子にしても国内リーグでの強化が我々の強みだと思っているんです。
男子の目標は、2020年ワールドカップへきちっと出場して、決勝トーナメントへ進出することが当面の目標になり、女子はユースオリンピックも含め成果を出してほしいと思うなかで、次のアジア選手権では男女共にチャンピオンになってもらえることを考えなくては駄目なんだろうなとは思っています。だからそこが狙いなのかなと』
――そのためにはFリーグ(国内リーグ)強化が必要だということですね。
「国内リーグの持つ意味って大きいんだと思っているんです。日本でも子どもさんたちにフットサルをもっと楽しんでもらって、その中から進路を決めるような子が増えて行くようにならなきゃいけないなと、それをいつの日かやりたいなと思っています。でも上手くいかなくて、本当に悩んでいるんですよ(苦笑)。
フットサルが盛んな国の理由のひとつに、気温の問題もあると思うんです。東南アジアは暑い国が多くて、旧ソビエト連邦の国々は物すごく寒い時期が多いじゃないですか。だからインドアスポーツが伸びる理由がある訳で。日本も北海道から沖縄まである中で、北海道にしても東北にしても冬場は外が使えなくなる。屋内でしかやれないという地域は多いし、逆に暑い地域だと熱中症になっちゃうからやはりインドアってなるだろうし。そういうのが自然になっていくんじゃないかなと思うし、そうなってくるとフットサルの位置づけがもっとハッキリとしてくるんじゃないかなと思っているんです」
インタビューは終始、絶やさぬ笑みと心地良いトーンで話してくれたのだが、話の内容は楽観的なものではなく、強い危機感を感じるものだった。そして「AFCでフットサルの重要性を説き、普及に尽力されたのはミスター・オグラだ」と、タイで以前、フットサル関係者から聞いた話を思い出す機会にもなった。
12年目を迎えたFリーグ、今季からディビジョン2(F2/8クラブ)を新設、また23歳以下からなるFリーグ選抜がディビジョン1(F1/11クラブ+1選抜)へ参戦することになる。
競技自体には人を魅了する力を備えていると信じて疑わない。あと、その機運を高めるのは、フットボールファミリーの後押しだ。
取材・文●佐々木裕介(フリーライター)