日本代表がドイツ撃破のメキシコから学びたい「闘う姿勢」と「勝利への執着心」

カテゴリ:ワールド

白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト)

2018年06月18日

本当に大事なのは戦術論やシステム論ではない。

緻密な作戦はあったにせよ、メキシコの身体を張ったプレーの数々は心打たれるものがあった。 (C) Getty Images

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 テクニックなどクオリティーで劣るならば、最後まで食い下がる気持ちや走力など闘う姿勢で対抗し、勝利というただ一点の目標のために戦うというのは、サッカーの常套手段だが、口で言うほど簡単なものではない。プライドが高く、一癖も二癖もある選手が大半の代表チームならばなおさらだ。しかし、それがなければ戦術やシステムなどをどんなに緻密に構築しても、すべては水泡に帰してしまう。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督を電撃解任し、西野朗新監督を迎えた日本代表に関してはここ2か月ほど、システム(4-2-3-1か3-4-2-1か)、スタイル(ハリル時代の縦を素早く突くサッカーから日本人が好むとされるポゼッションサッカーへ)、選手の起用法(トップ下は香川真司か本田圭佑かなど)などばかりが話題の中心になってきた。
 

 しかし、本当に大事なのはそうしたシステム論や戦術論ではないと、メキシコの姿勢を目の当たりにして改めて痛感させられた。プライドを捨てて泥臭くとも、勝利という唯一の目標のために個々が全力を振り絞って闘い抜けるか――。

 日本がグループリーグで対戦するコロンビア、セネガル、ポーランドは、ワールドクラスやそれに準ずるクラスのタレントがひしめき、いずれも現監督の下で数年の歳月をかけて構築されたチームだ。欧州のメガクラブで活躍するトップレベルの選手が皆無で、新監督の下で3試合しかこなさずにW杯本大会を迎えた日本が、それこそよく言われる「俺たちのサッカー」でまともに立ち向かっても、勝ち目は薄いだろう。

 登録23人の平均身長が178.8cmという日本は、背丈が似ているメキシコ人選手と比べて細身で肉厚がなく、いわゆる“重さ”では大きく見劣りする。攻守で同じ戦いはできないかもしれない。しかし、食い下がり続ける姿勢や走り続けること、そして「勝つため必要なことをする」という気概は、プロサッカーの世界でこう言っては何だが“気持ち”でどうにかなる話ではないか。

 この日のメキシコ代表から、日本代表が参考にできることは少なくない。

取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
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