「全セクションで我らの代表チームが上回っている」ポーランド人記者に訊いた日本代表評

カテゴリ:国際大会

ピオトル・コズミンスキ

2018年06月01日

ポーランド代表の強みとキープレーヤーは?

マルセイユで確固たる地位を築いた酒井は、相手チームから見れば嫌な選手である。攻守でどれだけプレーに絡めるか。 (C) Getty Images

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 引き続き、正直に述べたい。ポーランド代表は、全セクションで日本代表を上回っている。不遜に聞こえたとしたら謝りたい。だが、それは揺るぎない現実だろう。
 
 まず、我々の守備陣には、シュチェスニー、グリクという欧州のトップレベルで活躍するGKとCBが君臨している。
 
 シュチェスニーは、あのブッフォンの後継者に指名されるほどの実力を備えている。17-18シーズンのユベントスではそのレジェンドと併用されたために疲労も少なく、最高のコンディションで大会に入れるだろう。
 
 グリクは守備の国イタリアで7年間にわたって揉まれ、2016年夏に加入したモナコでは、リーグアンとチャンピオンズ・リーグでハイパフォーマンスを見せている。
 
 日本代表の川島永嗣(メス)と吉田麻也(サウサンプトン)も欧州でプレーしているが、所属クラブも絶対的なクオリティーも、大きく見劣りする……。
 
 前線についても、異論の余地はないだろう。レバンドフスキ擁するポーランドが明らかに優っている。
 
「レビー」は世界で最も完成されたストライカーのひとりで、自身初のW杯となるロシア大会に並々ならぬ闘志を燃やしている。かねてから熱望しているレアル・マドリー移籍を叶えるためにも、世界の檜舞台でアピールしようと意気込んでいるのだ。
 
 心身ともに最高の状態にあるレバンドフスキを止めるのは、日本代表のみならず、今大会のどの国にとっても至難の業だろう。
 
 唯一、両チームのあいだで戦力的に大差がないのは中盤かもしれない。とはいえ、創造性溢れるジエリンスキ、周到に準備を進めるグロシツキ(信頼する理学療法士をポーランドからイングランドに呼び寄せている)、経験豊富で安定感が極めて高いクリホビアク、そして怪我から復帰したブワシュチコフスキは、それぞれロシア大会には期すところがある。
 
 日本代表は伝統的に中盤に強みがあるようだが、我がポーランド代表も決して負けていない。
 
 ただし日本代表は、この土壇場になって監督を代えてきた。グループHの対戦相手にとってこれは、いわば奇襲とも言える。ポーランド代表のナバウカ監督は日本代表のスカウティングを重ねていたが、それもいったん白紙となってしまった。
 
 その意味でも、ポーランド代表はとにかく自分たちのスタイルを貫くことに集中すべきだ。したがって日本戦のキープレーヤーには、センターラインの重鎮たち、レバンドフスキ、グリク、シュチェスニーを挙げたい。
 
文●ピオトル・コズミンスキ(『スーパー・エクスプレス』紙フットボール班チーフ)
翻訳●井川 洋一
 
【著者プロフィール】
Piotr KOZMINSKI/1976年生まれ、ポーランドのカトヴィツェ出身。日刊紙『スーパー・エクスプレス』でフットボール班チーフを務める。さらに、『UEFA.com』のポーランド担当記者も務め、ロシアW杯では『FIFA.com』にも寄稿する予定。レバンドフスキやルーカス・ポドルスキ(元ドイツ代表で現ヴィッセル神戸)、ズビグニェフ・ボニエク(元ポーランド代表のレジェンド)らと親交があり、多くのインタビューを手掛けてきた。
 
※ワールドサッカーダイジェスト責任編集『ワールドカップ直前ガイド』より加筆・転載
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