「ワールドカップフリーク」としての一面も。

モラタやジエゴ・コスタなどライバルの多いCFだが、ポゼッションにもカウンターにも柔軟に対応できるアスパス(右)の存在は、スペインにとって不可欠なものになりつつある。(C)Getty Images
若い頃のイアゴには、気性の激しさがマイナスに受け取られるケースが少なくなかった。セルタのトップチームに初招集される予定だった試合でも、その数時間前に出場したBチームの試合で相手選手に肘打ちを食らわせたとして退場処分を受けてしまい、急遽メンバーから外されたこともあった。しかしパコ・エレーラは、こう擁護する。
「決して精神的に未熟だったわけではない。いまなにが大切なのかを理解できるだけの分別は、当時から持っていた。気性の激しさは彼にとって、体内に流れている血液のようなもの。それをうまくコントロールできなかっただけさ」
兄のホナタンは、リバプール、セビージャでの経験がイアゴの精神的成長を促す結果となったと指摘する。リバプールではルイス・スアレス(現バルセロナ)、ダニエル・スターリッジ、セビージャではカルロス・バッカ(現ビジャレアル)、ケビン・ガメイロ(現アトレティコ・マドリー)と、一線級のアタッカーとの厳しい定位置争いを強いられたが、「苦しんだ経験を糧に心身ともにタフさを増した」と評価する。
「決して精神的に未熟だったわけではない。いまなにが大切なのかを理解できるだけの分別は、当時から持っていた。気性の激しさは彼にとって、体内に流れている血液のようなもの。それをうまくコントロールできなかっただけさ」
兄のホナタンは、リバプール、セビージャでの経験がイアゴの精神的成長を促す結果となったと指摘する。リバプールではルイス・スアレス(現バルセロナ)、ダニエル・スターリッジ、セビージャではカルロス・バッカ(現ビジャレアル)、ケビン・ガメイロ(現アトレティコ・マドリー)と、一線級のアタッカーとの厳しい定位置争いを強いられたが、「苦しんだ経験を糧に心身ともにタフさを増した」と評価する。
現役選手でありながら弟の代理人も務めるホナタンの尽力もあり、イアゴは昨年4月にセルタとの契約を2022年まで延長。契約解除の違約金は4000万ユーロ(約52億円)に設定されている。
「ふたたび新天地を求める可能性は?」と兄のホナタンに訊くと、「イアゴはセルタで満足しているけど、サッカーに絶対はないからね。いまのパフォーマンスを続けていれば、バルサやマドリークラスのクラブが興味を示してきたとしても不思議はない。すべてはセルタの考え次第だけどね」と、どちらとも言えない答が返ってきた。
ただいずれにせよ、いまのイアゴの頭の中はセルタとロシア・ワールドカップ一色のはずだ。なにしろ物心がついてから最初に迎えた1994年のアメリカ大会から前回のブラジル大会までの、ワールドカップの出場チームの全メンバーの名前をすらすらと挙げられるほどの「ワールドカップフリーク」としての一面も、彼は持っているのだ。
スペイン代表がたびたび採用してきたシャドーストライカーは、イアゴにとってまさしく理想のポジション。今シーズンのセルタでも、マキシ・ゴメスの周りを衛星のように動き回りながら、素晴らしい働きを見せている。あるいは代表デビュー戦となった2016年11月のイングランド戦で実証したように、逆足のウイングとして右サイドでの起用も可能だ。
セルタではこれまで、ファビアン・オレジャーナ(現エイバル)、ノリート(現セビージャ)、ダニエル・ヴァスといったテクニックに長けたパートナーたちと質の高いコンビネーションを見せてきたが、イアゴのワールドカップでの活躍を確信する兄のホナタンは、最後に不敵な笑みを浮かべながらこう言い放った。
「スペイン代表では優秀なパートナーに事欠かないからね」
文●ファン・L・クデイロ(エル・パイス紙/セルタ&デポルティボ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています
「ふたたび新天地を求める可能性は?」と兄のホナタンに訊くと、「イアゴはセルタで満足しているけど、サッカーに絶対はないからね。いまのパフォーマンスを続けていれば、バルサやマドリークラスのクラブが興味を示してきたとしても不思議はない。すべてはセルタの考え次第だけどね」と、どちらとも言えない答が返ってきた。
ただいずれにせよ、いまのイアゴの頭の中はセルタとロシア・ワールドカップ一色のはずだ。なにしろ物心がついてから最初に迎えた1994年のアメリカ大会から前回のブラジル大会までの、ワールドカップの出場チームの全メンバーの名前をすらすらと挙げられるほどの「ワールドカップフリーク」としての一面も、彼は持っているのだ。
スペイン代表がたびたび採用してきたシャドーストライカーは、イアゴにとってまさしく理想のポジション。今シーズンのセルタでも、マキシ・ゴメスの周りを衛星のように動き回りながら、素晴らしい働きを見せている。あるいは代表デビュー戦となった2016年11月のイングランド戦で実証したように、逆足のウイングとして右サイドでの起用も可能だ。
セルタではこれまで、ファビアン・オレジャーナ(現エイバル)、ノリート(現セビージャ)、ダニエル・ヴァスといったテクニックに長けたパートナーたちと質の高いコンビネーションを見せてきたが、イアゴのワールドカップでの活躍を確信する兄のホナタンは、最後に不敵な笑みを浮かべながらこう言い放った。
「スペイン代表では優秀なパートナーに事欠かないからね」
文●ファン・L・クデイロ(エル・パイス紙/セルタ&デポルティボ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています