【岩政大樹】顕在化したハリルジャパンのデメリット。チームの最終形は、いまだ見えない

カテゴリ:日本代表

岩政大樹

2018年03月28日

日本は攻撃の最適解を探り当てられなかった

ハリルホジッチ監督の「人」に付く守備戦術はデメリットも内包している。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 センターバックが出ていって対応しても、レベルの高い選手からはそうそうボールを取れませんし、背後を突かれる危険性も高まります。ここに何度もボールを入れられるようだと、ワールドカップでは難しいでしょう。
 
   昨年10月のベルギー戦でも似たようなやり方でベルギー代表に起点を作られていました。ワールドカップ本大会で日本代表を相手にする国は、おそらく同じようなやり方を考えてくるはずです。対処の仕方をチームで詰めてワールドカップ仕様にしておくべきでしょう。
 
  2失点目の対応も同じく、チームとして詰めるべき部分です。確かに、サイドで酒井選手がかわされ、遅れて対応した山口選手もかわされた、という見方はできるものの、大事なのは「チーム全体としてどう守るか」の共通理解を確立しておくことだと思います。
 
   ああいった場面で「かわされるな」と言うのは簡単ですが、かわされたらノープランというのも寂しいです。酒井選手が寄せた時点で、相手選手の目線は下がっていました。かなりの割合でドリブルをしてくると予想できた状況で、カバーリングに行く選手はおらず、抜かれた後にやっと山口選手が戻ってきました。
 
  1失点目の植田選手のシュートブロックも含めて、局面の緻密な判断は、コンマ何秒の単位でもっと精度と共通理解を上げていかなくてはなりません。
 
 攻撃面においても、守備で「人」からポジションをとることのデメリットが出てしまいました。日本代表の選手たちは守備の時に相手にかなりポジションを動かされていたので、ボールを奪った瞬間(攻撃が始まった瞬間)の味方の位置が把握できていない状況にでした。そのため、ボールホルダーの判断が遅れ、なかなか速い攻めに移行できずに苦しんでいたのです。
 
   ボールを一旦保持しても、ウクライナとは対照的に、相手を動かすことができず、チャンスは個人で打開した時に限られました。
 
 相手の布陣は4-1-4-1で、最初の2列を上手く外せば少しスペースが生まれていました。日本代表には、そこにいかに運ぶかをチームとして見つけてほしかったのですが、能動的な攻めは数えるほどで、最後まで最適解を探り当てられなかったように感じます。
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