コミュニケーションが基本にあるスポーツゆえ
また、本田圭佑も世代の起爆剤になっている。
2008年の北京オリンピックでの惨敗を共有したことが、ターニングポイントになった。「このままでは世界で勝てない」と危機感を抱いた本田が、個性的で野心的なキャリアを重ねるなか、同世代の選手たちが、我も我もと、めいめい突き進んでいった。
そして今なお、長友佑都、内田篤人、岡崎慎司、香川真司、吉田麻也といった「北京世代」は、代表の主力として長く活躍している。
仲間や敵をライバルとして、自らを磨く。
筆者は3月24日に上梓する小説「ラストシュート 絆を忘れない」(角川文庫)で、主人公がチームメイトやライバルたちの影響を受け、成長を遂げる姿を描いているが、それはリアルな取材が原型にある。
健全な競争は、コミュニケーションが基本にあるサッカーというスポーツにおいて、決して欠かせないのだ。敵として対峙することで、間合いを自分のものにする。味方同士、パスのタイミングを合わせる。感覚を研ぎ澄ますことで、新しい発見とし、成長の触媒とするのだ。
お互いに高め合えるか――。それが、次代の日本サッカーの命運を左右する鍵になるかも知れない。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。そしてこのたび、『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
2008年の北京オリンピックでの惨敗を共有したことが、ターニングポイントになった。「このままでは世界で勝てない」と危機感を抱いた本田が、個性的で野心的なキャリアを重ねるなか、同世代の選手たちが、我も我もと、めいめい突き進んでいった。
そして今なお、長友佑都、内田篤人、岡崎慎司、香川真司、吉田麻也といった「北京世代」は、代表の主力として長く活躍している。
仲間や敵をライバルとして、自らを磨く。
筆者は3月24日に上梓する小説「ラストシュート 絆を忘れない」(角川文庫)で、主人公がチームメイトやライバルたちの影響を受け、成長を遂げる姿を描いているが、それはリアルな取材が原型にある。
健全な競争は、コミュニケーションが基本にあるサッカーというスポーツにおいて、決して欠かせないのだ。敵として対峙することで、間合いを自分のものにする。味方同士、パスのタイミングを合わせる。感覚を研ぎ澄ますことで、新しい発見とし、成長の触媒とするのだ。
お互いに高め合えるか――。それが、次代の日本サッカーの命運を左右する鍵になるかも知れない。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。そしてこのたび、『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。