【セルジオ越後】なぜ批判されるのか? 齋藤学に怒りの矛先を向けるのはお門違いだよ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2018年01月23日

移籍しただけでは生計を立てられない。ピッチ上で何ができるか。

アビスパの冨安はベルギーへ移籍。J2から海外に挑戦する選手もいるけど、何よりも大事なのは、新天地で試合に出て、活躍することだよ。(C)SOCCER DIGEST

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『可愛さ余って憎さ百倍』という諺もあるけど、齋藤が好きなら、フロンターレのユニホームを買って、等々力で応援すればいいだけ。逆にマリノスを愛しているなら、クラブそのものを応援すればいい。要するに、齋藤に怒りの矛先を向けるのはお門違いというわけだ。こんなことが日常化すれば、選手たちはますます移籍に消極的になるよ。

 移籍のインパクトで言えば、たった1年でFC東京に別れを告げた大久保のフロンターレ復帰のほうが強烈だ。年俸は下がったようだけど、それでも戻りたかったのはなぜなのか。こうした事象があると、どうしても色眼鏡で見てしまう。本当のところは知る由もないけど、移籍ひとつとってもいろんなことが想像できるね。

 話は少し逸れるけど、先述したジョーの例を挙げるまでもなく、外国人選手の獲得には大金をつぎ込むのに、数十億円が動く日本人選手の国内移籍にはなかなかお目にかかれない。なんだか寂しいね。

 また今冬は、アビスパの冨安がベルギー1部のシントトロイデンに移籍し、昨季はファジアーノでプレーしていたアントラーズの豊川も同じベルギーのオイペンに移籍と、J2から海外にチャレンジする選手もいる。J1で目に見える結果を出していない選手が、いきなりヨーロッパに行くのはいかがなものかという意見もあるけど、そんなのは関係ない。

 どんなキャリアを歩んできたかより、新しいチームで試合に出て、活躍することのほうが重要だ。ただし、海外に出て行っても、ベンチにも入れず、燻っているようでは、選手として錆びついてしまうよ。そのリスクは間違いなくあるから、強い決意が必要だ。
 
 エージェントは選手を動かすことで儲けを得ている。でも、選手は移籍しただけでは生計を立てられない。ピッチに立って何ができるかを示さなければならないんだ。

 それは海外挑戦でも国内移籍でも変わらない。自らの実力でポジションを奪い、勝利をもたらす。齋藤も煩わしい外野の声を、そのプレーで打ち消せばいいんだ。
 
 7年半ぶりにアントラーズに復帰した内田だって同じだ。近年は怪我に苦しみ、ドイツから日本に帰ってきた。これもチャレンジのひとつだけど、愛着ある古巣で結果を残せなければ、選手として厳しい状況に追い込まれるだろうね。これがラストチャンスだと覚悟を決めて、かつての輝きを取り戻してほしいよ。 
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