MF
福田湧矢（東福岡→ガンバ大阪）
　初戦の尚志戦では２点目を決め、幸先良いスタートを切ったように見えたが、続く富山一戦で敗退。早々に姿を消すことになってしまった。動きながらのプレー、連続したプレーの質が高い“ヒガシ”のキャプテンは、人一倍の責任感を持った男。それだけに敗戦の責任を自ら背負い込んでしまったが、東福岡の攻撃のリズムを作り出していたのは、間違いなく彼だった。この責任感を向上心に変えて、G大阪での躍動を期待したい。
 
DF
阿部海大（東福岡→ファジアーノ岡山）
　初戦は尚志を相手に完封勝利に大きく貢献し、続く２回戦の富山一戦もカバーリングと対人の強さを発揮して、守備組織を統率した。しかし、後半アディショナルタイム３分に右CKから失点。ほんの一瞬の隙だった。今年度の高校サッカー界屈指のセンターバックがこれから進む世界は、そのほんの一瞬の隙が命取りになる世界。高校最後の試合でそれをまざまざと味わっただけに、より隙のないCBへの成長を誓ったことだろう。来季はプロ１年目に加え、U-19日本代表の活動も視野に入っているだけに、この経験を糧にしてもらいたい。
 
FW
安藤瑞季（長崎総科大附→セレッソ大阪）
「高校ナンバーワンストライカー」の看板は、本物だったと実証した大会だった。初戦の中京大中京戦で、後半アディショナルタイムに勝負強くチームの３点目をマークすると、２回戦の高川学園戦では１人で持ち込んで圧巻のミドルシュートを突き刺す。３回戦の青森山田戦でも縦パスを受けて、DF２人を一気に置き去りにし、ペナルティエリア外から豪快なミドルシュートを突き刺し、前回王者を１−０で退けた。
　個でこじ開けて決め切ってしまう圧巻の能力を示したが、２回戦、３回戦でイエローを１枚ずつもらい、準々決勝の流経大柏戦は出場停止。エースを欠いたチームは０−３で敗れた。「みんなに迷惑をかけた」。不用意なイエローをもらわないのもエースが持つべき自覚のひとつ。それをプロ入り前に痛感したことはプラスになるはずだ。

FW
佐相壱明（昌平→大宮アルディージャ）
　初戦の広島皆実戦でチームのオープニングゴールを挙げて、PK戦での勝利に貢献した。しかし、２回戦ではノーゴールに終わり、チームも神村学園に０-１で敗戦。技巧派軍団の昌平のなかでも異彩を放つ存在で、前線で巧みに身体を張って、クサビのパスを集約し、ワンタッチで周りを活かすだけでなく、強引に単独突破もできる稀有なストライカーだった。縦への推進力は凄まじく、大宮ではその長所を磨き、オレンジのストライカーとして大成を期待したい。