【選手権】矢板中央が埼玉会場で過去8戦無敗!“人見知り”2年生MFがジンクス継続弾

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2018年01月05日

指揮官も「おとなしい子で消極的な部分が多かった」と評する2年生アタッカーが変化を見せたワケは?

矢板中央を4強に導いた高橋監督。予選では一度も出場機会のなかった2年生MF山下の変化を見て取り、今大会は先発起用している。写真:田中研治

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 高橋監督は「彼は、県予選ではサブ(控え)。一度も出場機会がなかった。おとなしい子で、スピードがあるけど消極的な部分が多かった。県の代表権を取ってから、積極的にプレーをして日頃の練習で目立つ選手になっていたので、スタートで起用するようになって当たった。うちが求めているハードワークをできるようになってきた」と山下の働きを称えた。
 
 昨季終盤に一度は定位置を獲得したが、長続きはしなかった。身体が小さく細いため、コンタクトプレーで負けることが課題で、競り合い切れなかったのだ。山下は「今年の夏くらいに、身体(の力)が弱くて、スピードが通用しなくなって来た」と壁にぶつかった時期を振り返った。
 
 しかし、主将の稲見から「スピードを生かして突破を仕掛けろ」と言われ続け、体幹を鍛え、ピッチ内外の行動を徹底することで先発定着にこぎ着けた。決して目立つタイプではないが、実に「効いている」選手だ。中学時代もスピードやドリブルといった武器を持ちながら、ボールを集めろと言う選手ではなかったという。得点シーンのように、周りにボールを供給しつつ、密かにチャンスを狙っているのではないかと聞くと、山下は「確かに、そういうところもあります」とほくそ笑んだ。
 
 スピードを武器にする選手は、目立ちやすい。しかし、パワフルなストライカーが目立つ矢板中央において、山下はふところ刀のような存在だ。名脇役の存在感を見せているのは、性格的な部分も反映されているのだろう。高橋監督は「入部当初は、まったく目立たない選手。ほとんど喋らない、おとなしい子」と表現した。
 
 埼玉会場での不敗神話を継続させた立役者は「攻められる場面が多い試合で、凌いでカウンターを狙っていた。得点を決められて良かった。次も、アシスト、得点を狙って頑張りたい」と謙虚に次戦に向けた意気込みを語った。準決勝は、翌6日で連戦となる。矢板中央の懐剣が、初の決勝進出を決める一撃を、密かに狙う。
 
取材・文●平野貴也(フリーライター)
 
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