【選手権】青森山田「7番と10番」の物語。熱き想いは伝統となって引き継がれていく

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2018年01月04日

「7番と10番、この2つの番号が僕を成長させてくれた」(郷家友太)

「次世代エース」を意味する7番を背負った檀崎。試合後は涙が止まらなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 迎えた選手権。初戦の草津東戦こそ郷家が2ゴール、檀崎は郷家の先制弾をアシストするなど、エースナンバーに相応しい活躍を見せた。しかし、3回戦の長崎総科大附戦では2人は、相手のタイトなマークに苦しめられ、チャンスは作れど、ゴールをこじ開けることが出来なかった。
 
 結果は0−1の3回戦敗退。2連覇という偉業を成し遂げることができなかった。
「10番の責務を果たしきれなかった。本当にみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいです」
 
 試合後のミックスゾーンで、大勢のメディアに囲まれた郷家は唇を噛んだ。その脇を、目を真っ赤に腫らした檀崎が通り過ぎて行った。囲みが解け、ひとりになった郷家に改めて思いを聞くと、こう口を開いた。
 
「7番と10番。この2つの番号が僕を成長させてくれた。これからの青森山田は(檀崎)竜孔がこの道を歩んで行くと思う。だからこそ、試合後のロッカールームで泣いている竜孔にだけ『来年はお前が引っ張って優勝を目指せ』と声を掛けた。10番を背負ったら、今年以上にゴールと責任が求められるからこそ、今から覚悟を決めて、重みを感じながら自分とチームに向き合ってほしい。大変なことだけど、竜孔ならできると思います」
 
 熱い想いは伝統となって、また引き継がれ、さらなる重みを増す。偉大な先輩から心のこもったメッセージを受けた檀崎は、最後にこう決意を口にした。
 
「7番を背負って1年間試合に出させてもらっていたにもかかわらず、結果を出せなかったのは、自分の甘さ以外何物でもありません。自分のピッチ内外での甘さを嫌というほど痛感したし、先輩たちには申し訳ない気持ちしかありません。だからこそ、もし10番を引き継がせてもらったら、こんな甘さを持っているようじゃ、みんなに示しが付かない。より自覚と責任を持って取り組みたいし、友太さんや偉大な先輩たちに恥じない存在になりたい」
 
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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