4年間でプロが大学生に逆転される?
必然的に高体連や大学側からは、優秀な選手を獲得しながら育て切れないJクラブへの批判の声が高まった。特にジュニアユースからユースへの昇格を逃した中村俊輔や本田圭佑の存在がクローズアップされると、Jクラブ側の見識が問われることになった。批判には正鵠を射たものもあれば、そうとも言い切れない類もあっただろう。だが少なくともこうして議論が繰り返されたことで、選手を育てていくために何が必要なのかが、少しずつ整理されていったはずだ。
Jクラブは、アカデミーの指導者の経験不足と、プロ契約後の育成環境の未整備が問題視された。本来最も長いキャリアが必要な育成部門に、現役を引退して間もないコーチが回される。実際に子供を育て、いくつもの成長過程を見た経験のないコーチが、特に人間的な成長をどこまで促せるのかが疑問視された。
Jクラブは、アカデミーの指導者の経験不足と、プロ契約後の育成環境の未整備が問題視された。本来最も長いキャリアが必要な育成部門に、現役を引退して間もないコーチが回される。実際に子供を育て、いくつもの成長過程を見た経験のないコーチが、特に人間的な成長をどこまで促せるのかが疑問視された。
一方でサテライトリーグを廃止したJリーグは、せっかくエリートを獲得しても、彼らを逞しく育てていく環境を整えていなかった。18歳でプロになれる能力を持つ選手たちが、事情を察して次々に大学へと迂回していった。4年間練習に明け暮れたプロが、この間に実戦を重ねた大学生に逆転される現象も目立つようになった。
だがようやくJ2が歴史を重ね、レンタル制度が普及したことで、プロ側も少しずつ効率的な育成を実現できるようになった。今回の代表でも、柿谷曜一朗や斎藤学は、J2で叩き上げられて再浮上している。
だがようやくJ2が歴史を重ね、レンタル制度が普及したことで、プロ側も少しずつ効率的な育成を実現できるようになった。今回の代表でも、柿谷曜一朗や斎藤学は、J2で叩き上げられて再浮上している。