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【現地発】前任者の過ちと遺産を糧に…堅実なシュテーガーの下でドルトムントが歩む再起への道

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2017年12月14日

ひとつずつ問題を解決していくこと

写真は4節のケルン戦(5-0で勝利)。この時、ドルトムントは3勝1分けで首位を走り、ケルンは4戦全敗で得点わずか1。ここから3か月も経たないうちに、シュテーガーがボシュに取って代わると、誰が想像できただろうか……。 (C) REUTERS/AFLO

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 そんなチーム事情のなかで急遽、ドルトムントを率いることになったシュテーガーに課された仕事は、安定をもたらすことだ。
 
「全てについては話をする時間はなかった。まだ2、3日、チームと知り合ったばかり」と『ビルト』紙に載ったコメントの通り、いきなり多くのことはできない。
 
 だから、まず大事にしたのは守備バランス。高い位置からのハイリスクなプレッシングを止め、守備ラインを下げた。攻撃時にも慌てて蹴り出すのではなく、しっかりと自分たちでボールをコントロールしようとした。
 
 ヴァイグルはまた馴染みのある役割でプレーし、成功率95パーセントのパスワークでゲームをコントロール。ポゼッションが上がったことで、ボールロスト時にもすぐに守備陣形を整える準備ができ、不用意に相手のカウンターを受ける場面が減った。
 
 そして新体制の初陣、ドルトムントはパパスタソプーロスと香川真司のゴールでマインツを2-0で下し、73日ぶりにブンデスリーガでの勝利を飾った。無失点は、実に第5節(ハンブルク戦)以来である。
 
 これ以上ないかたちで新天地でのスタートを切ったシュテーガー監督だが、試合後の会見では、前任のボシュについて「良い仕事をしたに違いない。誰も彼のことを、ネガティブに話していない。このチームにとって良いことを多く残してくれた」と、敬意を忘れないコメントを残している。
 
 これまでを否定するのではなく、そこから整理をして形作っていく。ひとつずつ問題を解決していけば、後半戦にはまた、力強いドルトムントのサッカーが見られるようになっているはずだ。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
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