伸び伸びとプレーする34歳の今野泰幸が、ハリルジャパンに心地よい風を吹き込む

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2017年12月14日

細かいポジショニングに改善点はあるが、それでも…。

終盤はアンカーのポジションを離れ、積極的に攻撃参加した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 あるいは57分。サイドチェンジから11番のMFジャン・ウェンジャオと14番DFフー・フアンの連係でスルーパスを通され、中央の22番FWユー・ダーバオが最大の決定機を迎えた場面。今野はスライドが遅れている。センターバックの前のスペースを埋めることができていない。たとえば、FWユー・ダーバオの眼前に立ち、足下のパスに対して今野が対応できるポジションを取っていれば、昌子源と三浦弦太は裏のスペースに警戒を強められる。スルーパスを防げたはずだ。
 
 また、その直後に右サイドを崩され、マイナスへの折り返しからウェイ・シーハオにシュートを打たれた場面でも、今野のプレスバックは間に合っていない。スプリントして間に合わなかったのなら仕方がないが、その危機センサーが働かなかった。細かい部分では、ポジショニングミスが目につく。
 
 ある意味、アジアだから許される対応だ。しかし、これをワールドカップでやれば間違いなく失点する。
 
 全般的にはうまくアンカーを務めた今野だが、たとえばカウンターを仕掛けられた場面、サイドチェンジを通された場面など、日本の守備が不利になる難局面の対応については、今後の改善点があると感じた。
 
 もっとも、課題はあるが、それでも今野はワールドカップに向けて貴重な戦力になるはず。最大の理由は、彼が戦況を自ら判断し、時に監督に言われたことをブレークしてでも、試合に勝つ気概にあふれていることだ。
 
 たとえばこの試合、後半は中国にペースを握られたが、それを押し返したのは今野、加えて川又の働きが大きかった。
 
 川又が前線で起点を作り、相手にクリアされても、それを果敢に今野がインターセプト。2次攻撃、3次攻撃で敵陣に押し込んだ。終盤の今野はかなり前へ出てパスを受けたり、サイドに出てボールキープしたり、「とにかく、あのポジションにいろと言われた」というアンカーの指示をひっくり返すような攻撃を続けている。
 
「正直、焦ってましたよ。勝たなくちゃいけない相手だって、やっていて思ったし。チャンスを作れたぶん、点取らなくちゃいけないって」
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