伸び伸びとプレーする34歳の今野泰幸が、ハリルジャパンに心地よい風を吹き込む

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2017年12月14日

野心を秘めた20代とは違い、今野は代表でのプレーを楽しんでいるように見える。

今野が前に出た際の井手口のカバーも見事だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 アンカー(錨)を忠実に守ろうと試合に入った今野だが、終盤に近づくと、それを自らの判断で外し、アグレッシブに出た。その結果、カウンターで失点する危険、あるいは2年半前のように監督に交代を命じられる可能性もあったが、今野は自分でリスクを負い、思い切って戦術的なブレークをした。それがなければ、おそらく試合は0-0で終わっていたはず。
 
 井手口陽介もうまくカバーした。30分から負傷した大島僚太に代わって井手口が入り、攻撃面では流れが停滞したことは否めない。しかし、守備のできる井手口に代わったことで、今野が前に出たときのカバーは、この同じガンバ大阪のMFが柔軟にバランスを取ってくれた。どっちが若手で、どっちがベテランか、わからない。
 
 とにかく、目の前。1試合、1試合。
 
 野心を秘めた20代とは違い、最近の今野は、純粋に日本代表でプレーすることを、サッカーをすることを楽しんでいるように見える。そのリラックス具合が、何よりも心強い。「正直、焦ってましたよ」という表情にすら、余裕を感じる。それは最終予選のアウェーのUAE戦(2-0)でも感じたことだ。
 
 規律に厳しいハリルジャパンだけに、今野が吹き込む風を心地よく感じる。34歳の伸び伸びとしたプレーは、指示をこなすことに脳みそを握られがちな若い選手に、あるいは結果が出ないことに悩む選手に、良い影響を与えるのではないか。
 
取材・文●清水英斗(サッカーライター)
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