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【小宮良之の日本サッカー兵法書】選手を戦術にはめ込もうとするハリルの「引き出し」はいかほどか!?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年12月12日

戦術的に機能しなかったという重大な事実

ロシアW杯に向けて戦力の上積みが主目的となる今大会。ハリルホジッチ監督のお眼鏡に適う選手がどれほど出てくるか、非常に興味深いところだ。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 他にも、小林悠は動きの質や高さで健闘し、JリーグMVPの片鱗を見せた。途中出場の川又堅碁はダイナミズムをもたらし、際どいヘディングシュートを放って、決勝点も間接的にアシストしている。
 
 右サイドに入った伊東純也も圧倒的な走力で、疲労困憊の相手DFにダメージを与えた。そして井手口のミドルは、当て勘とキックの精度が良く出たものだった。
 
 Jリーグの長いシーズンを戦った直後で、本来の動きには及ばなかった選手も多いなか、勝ち切ったという点では、日本の健闘を称えるべきだろう。
 
 しかし同時に、戦術的には機能していない、という事実も重く受け止めるべきだ。
 
「JリーグのFWは、背後でボールを受けるのに慣れていない」
 
 ハリルホジッチ監督は、そう言って要求を続ける。
 
「もっと、プレースピードを上げる必要がある。選手は、クラブにいる時と同じようにプレーしている。例えば、金崎(夢生)はサイドに流れてしまったが、彼には中央での仕事があった。もちろん、一度話したからといって、選手のプレー全てが変わるわけではないが……」
 
 彼は、自らの戦術に選手をはめ込みたいのだろう。そのためのテストでもあった。ただ、日本人選手の特性に合わせた戦術を用いず、ワールドカップで戦術が機能しない、という事態になったら、これはもう悲劇以外の何物でもない。
 
 果たして来夏のロシアW杯に向けて、指揮官の「引き出し」は見せてもらえるのだろうか?
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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