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風間グランパスがプレーオフで見せた成長と課題。来季のJ1でもパスサッカーを貫けるのか?

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2017年12月04日

J1では自分たちのスタイルを貫くことが難しい試合も増える。

J1で戦う来季は耐える試合も増えることだろう。写真●山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 後半は名古屋が玉田圭司の投入を機に本来のスタイルを前面に押し出せるようになり、試合は名古屋ペースに。福岡はクロスからのチャンスメイクに強さを見せたが、58分のウェリントンのゴールはオフサイドの判定。ボールをつなぐ名古屋と、そこからひっくり返してのカウンターを仕掛ける福岡という構図は打ち合いの様相にも似ていた。
 
 とはいえ、ボールを保持するのは依然として名古屋のほうで、この頃には長いボールを多用しない、いつも通りの戦い方がピッチ上で表現されていた。切り替えの速さがそう見せないところもあったが、そもそも攻守の切り替えの速さは名古屋が普段から意識していることのひとつだ。シーズン中の一時期など、攻撃が終わった直後の守備の切り替えに注力したこともあり、その頃の紅白戦はまるで千葉のようなスタイルに見えたものだった。
 
 後方からショートパス主体でつないで攻め上がっていくスタイルも、シーズン中はチーム育成の観点から忍耐強く練り上げてきたものだ。今にして思えば大きかったアウェー長崎戦での引き分けは、田口泰士が「最後まで貫こうとみんなでやっているから」と出した縦パスが失点の呼び水になっていた。
 
 しかし、チームはミスを高い授業料として受け取りつつ、あくまでスタイルにこだわってきた。こうした観点からすればプレーオフの戦いぶりは軸ブレとも取れなくはないが、一発勝負の舞台になりふり構ってはいられない。
 
 というよりも、わずか1、2週間の準備でできるほど、彼らにとっては容易なことだったわけだ。つまりは、やろうと思えばいつでもやれるのだから、リーグ戦では“成長しながら勝つ”ことを優先していたということだろう。風間八宏監督は特に序盤戦でこう言っていた。「試合も使って成長していく」と。今季の名古屋は「止める、蹴る」の足下の技術を見つめながら、大局的な視点でもチームを作っていたのである。
 
 ただし、まだこの戦い方では福岡レベルの堅守は崩しきれないことも、証明された試合だった。今季プレーオフを合わせた44試合で88得点、実に1試合平均2得点をマークしてきた“強攻型”のチームも、すべての試合で2得点を奪ってきたわけではない。J1のレベルは福岡以上であり、当然、自分たちのスタイルを貫くことが難しい試合も増える。今回のプレーオフのように割り切ならなければいけない試合もまた、必ず増える。
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