【番記者通信】欧州の頂点に向かって再始動したイタリア王者|ユベントス

カテゴリ:メガクラブ

ロメオ・アグレスティ

2014年05月09日

戦力とするか、資金源とするか……重要な判断を迫られる。

選手の売り時を見極めることは、クラブのその後の繁栄のためにも非常に重要だ。写真はポグバ (C) Getty Images

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 その一方でユベントスは、すでにモチベーションが尽き、戦いが”終着点”に達した選手の放出にも着手していくことになる。ミルコ・ヴチニッチとファビオ・クアリアレッラは、真っ先にチームを去ることがほぼ確実。セバスティアン・ジョビンコの去就はこの数週間で検討されることになり、パブロ・オスバルドはサウザンプトンに送り返されるだろう。ベンチを温めることの多かったアンジェロ・オグボンナについては、もう1シーズンはチャンスが与えられるようだが、一方でフェデリコ・ペルーゾ、シモーネ・パドイン、そしてマウリシオ・イスラは、白と黒のユニホームに別れを告げる可能性が高い。
 
 去就については、ポール・ボグバも噂の渦中にいる人物だが、彼の場合は若干、事情が異なる。まだ具体的なオファー提示には至っていないが、パリ・サンジェルマンとレアル・マドリーは水面下で獲得の可能性を探っている。
 
 ユベントス側には、急いで放出を決める意思はない。コンテはこの原石を大事に磨き、適切な成長プロセスを辿らせて、選手としての価値を高めてきた。その結果、今シーズンは素晴らしいパフォーマンスを披露し、各国のビッグクラブが興味を示すまでになっている。
 
 しかしポグバは、ユベントスにとっても貴重な存在である。売れば次の大型補強に向けてまとまった資金が入るが、チームにもたらされる痛みは非常に大きいものとなるかもしれない。彼の代理人で国際移籍市場を牛耳るミーノ・ライオラはポグバの残留を明言しているが、他クラブが水面下で提示した条件は、イタリア勢では太刀打ちできないほどの金額だ。果たして、いかなる結末を迎えるのだろうか。
 
 そして最後に、ユベントスが考えなければならないことがもうひとつある。他クラブにレンタルや共同保有で出している若手の処遇だ。ドメニコ・ベラルディ、マノーロ・ガッビアディーニ、チーロ・インモービレ、ルカ・マッローネ、ダニエレ・ルガーニ、そしてシモーネ・ザザ……。
 
 すでにインモービレにはボルシア・ドルトムントからオファーが提示され、ベラルディにもヴォルフスブルクが興味を示しているようだが、若き才能は強化資金を得るうえでも貴重な”駒”となる。この財産をどう活用して、強化につなげるのか。この夏の動きからは目が離せない。
 
【記者】
Romeo AGRESTI
ロメオ・アグレスティ
1989年トリノ生まれ。著名ジャーナリストで、『ワールドサッカーダイジェスト』誌の連載でもお馴染みのジャンカルロ・パドバンが主宰する雑誌「カルチョGP」で研鑽を積み、現在は『Goal.com』のユベントス番として密着取材。クラブの専門チャンネル『ユベントスTV』にもコメンテーターとして出演する。
 
【翻訳】
神尾光臣
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