若手に幻想を抱きやすい日本人…
Jリーグでも、常勝クラブである鹿島アントラーズは、今シーズンの安部裕葵のように、若手の台頭が目覚ましい。それはやはり、勝つかたち、プレースタイルが確立しているからだろう。抜擢された若手が、大胆なプレーができるのだ。
例えば、小笠原満男のような経験豊富な選手と一緒にプレーすることで、小笠原から学ぶだけでなく、小笠原を超えようとする。厳しい環境で切磋琢磨することで、ようやく一人前の選手となれる。
一貫したスカウティングによって、それぞれのプレーのキャラクターに他選手が控えていることも、アドバンテージになっていることだろう。
日本では、若手選手に対し、とにかく人々が幻想を抱きやすい。
FC東京でプロ契約を結んだ久保建英は能力の高い16歳だが、あろうことか、関係者からも「日本代表(A代表)に選んでは?」という声が聞こえてくる。J3ですら、まだ力の差を見せつけられていない状況で、これは「空論」でしかない。J1での活躍によって初めて、その可能性が語られるべきだろう。
未知の才能にすがってはならない。
どのように若手の力を伸ばしていくか――。それは、日本サッカーに突きつけられている課題でもある。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
例えば、小笠原満男のような経験豊富な選手と一緒にプレーすることで、小笠原から学ぶだけでなく、小笠原を超えようとする。厳しい環境で切磋琢磨することで、ようやく一人前の選手となれる。
一貫したスカウティングによって、それぞれのプレーのキャラクターに他選手が控えていることも、アドバンテージになっていることだろう。
日本では、若手選手に対し、とにかく人々が幻想を抱きやすい。
FC東京でプロ契約を結んだ久保建英は能力の高い16歳だが、あろうことか、関係者からも「日本代表(A代表)に選んでは?」という声が聞こえてくる。J3ですら、まだ力の差を見せつけられていない状況で、これは「空論」でしかない。J1での活躍によって初めて、その可能性が語られるべきだろう。
未知の才能にすがってはならない。
どのように若手の力を伸ばしていくか――。それは、日本サッカーに突きつけられている課題でもある。
文:小宮 良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。