結果的に多くの才能を殺すことにも…
「若手に切り替える」
シーズンを前にこうした政策を打ち出し、戦いに挑むチームを見かける。
当然ながら、若い力がなければ、チームは勢いを得られない。その意味では、若手起用を促すのは、ひとつの正道だと言えるだろう。
しかし、「切り替える」と言い切ってしまうと、どこか無計画で、博打的な匂いがする。若手にチャンスを与える、というと聞こえは良いが、高い年俸の選手を整理できるし、経営的にコストカットもできる、という本音も透けて見えてしまう。安直なマネジメントとも言えないこともない。
そもそも、「若手主体に切り替えたら、チームに良い流れができる」というのは、全くの幻想である。
結局のところ、経験のある選手がいないと、若手は育っていかない。一方、鋭気ほとばしる若手がいないと、ベテランも競争力を失う。どちらがいなくても成り立たない。それがチームの実像だろう。
今シーズン、ここまで低迷している王者レアル・マドリーだが、そのエースであるクリスチアーノ・ロナウドは、はっきり明言している。
「(アルバロ・)モラタ、ペペ、ハメス(・ロドリゲス)の不在が痛い。彼らは、チームを強くしていた。新たに加入した若い選手たちは、能力は高いが、経験が少ない。経験は重要だ」
実績のある選手を切り、若手を採用したことは、絶対的な悪というわけではない。しかし、若手に経験が少ないのは明白。チームのなかで、主力選手とうまく馴染ませていかなければ、力を出し切ることはできないのだ。
そういう意味では、チームを若手に切り替えるという試みが、どれだけプロクラブとして危険であるかが分かるだろう。
有力な若手は、ほとんど自然に出てくる。若手に切り替える、というのは、彼らを大事にしているようで、結果的に多くの才能を殺すことになりかねない。ポジションを“与えられてしまった”若手は甘やかされ、競争力を欠く。プロの世界において、ポジションは“奪わないと”力もつかないのだ。
シーズンを前にこうした政策を打ち出し、戦いに挑むチームを見かける。
当然ながら、若い力がなければ、チームは勢いを得られない。その意味では、若手起用を促すのは、ひとつの正道だと言えるだろう。
しかし、「切り替える」と言い切ってしまうと、どこか無計画で、博打的な匂いがする。若手にチャンスを与える、というと聞こえは良いが、高い年俸の選手を整理できるし、経営的にコストカットもできる、という本音も透けて見えてしまう。安直なマネジメントとも言えないこともない。
そもそも、「若手主体に切り替えたら、チームに良い流れができる」というのは、全くの幻想である。
結局のところ、経験のある選手がいないと、若手は育っていかない。一方、鋭気ほとばしる若手がいないと、ベテランも競争力を失う。どちらがいなくても成り立たない。それがチームの実像だろう。
今シーズン、ここまで低迷している王者レアル・マドリーだが、そのエースであるクリスチアーノ・ロナウドは、はっきり明言している。
「(アルバロ・)モラタ、ペペ、ハメス(・ロドリゲス)の不在が痛い。彼らは、チームを強くしていた。新たに加入した若い選手たちは、能力は高いが、経験が少ない。経験は重要だ」
実績のある選手を切り、若手を採用したことは、絶対的な悪というわけではない。しかし、若手に経験が少ないのは明白。チームのなかで、主力選手とうまく馴染ませていかなければ、力を出し切ることはできないのだ。
そういう意味では、チームを若手に切り替えるという試みが、どれだけプロクラブとして危険であるかが分かるだろう。
有力な若手は、ほとんど自然に出てくる。若手に切り替える、というのは、彼らを大事にしているようで、結果的に多くの才能を殺すことになりかねない。ポジションを“与えられてしまった”若手は甘やかされ、競争力を欠く。プロの世界において、ポジションは“奪わないと”力もつかないのだ。