【番記者通信】モイーズ電撃解任の裏側|マンチェスター・U

カテゴリ:メガクラブ

マーク・オグデン

2014年04月24日

最有力候補はアンチェロッティとファン・ハール

モイーズ解任は香川にとって朗報だろう。ただ、新監督が誰になっても、熾烈な競争を勝ち抜かなければならないことに変わりはない。 (C) Getty Images

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 後任は誰になるのか。クラブにとっては、同じ過ちを繰り返すことは許されない。次期監督に必要なのは、なにより「実績」だろう。常勝軍団への復活を遂げるには、揺るぎない指針と確かな手腕を持った指揮官を選ばなければならない。
 
 最有力候補は、レアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督、オランダ代表のルイス・ファン・ハール監督の2人だ。
 
 アンチェロッティは、2009年から2シーズン率いたチェルシーでプレミアを制覇している。ファーガソンやクラブ幹部は、選手を束ねるマネジメントスキルに長けた54歳のイタリア人の招聘を望んでいるが、はたしてR・マドリーが退団を認めるか。
 
 その点、ブラジル・ワールドカップ終了後にオランダ代表との契約が切れるファン・ハールは、障壁が少ない。実績も申し分がない反面、選手に高圧的に接し、敵を作りやすいマネジメントスタイルには不安を残す。
 
 一方、有力な後任候補とされてきたドルトムントのユルゲン・クロップ監督は、「ドルトムントとの関係は壊せない」と残留を宣言した。
 
 相思相愛の関係を築いていた香川真司には、残念な知らせだろう。もっとも、「モイーズ留任」のシナリオに比べれば、状況ははるかに好転した。シーズン終盤に入って出番こそ増えたが、モイーズから全幅の信頼を寄せられていたとは言い難い。今回の解任劇で、香川は新指揮官に自分の才能をアピールする新たなチャンスを手に入れた。
 
 政権交代を転機にしたいのは、もちろん香川だけではない。ハビエル・エルナンデスやナニ、ウィルフレッド・ザハも同じように意気込んでいるはずだ。監督が誰になっても、チーム内の熾烈な競争は変わらないということだ。
 
 迷走したモイーズ政権に終止符が打たれた。だがそれは、単に次章の幕が開けただけにすぎない。ユナイテッド、そして香川にとっても、これから新しい挑戦が始まる。

【記者】
Marc OGDEN|Daily Telegraph
マーク・オグデン/デイリー・テレグラフ
英高級紙で最大の発行部数を誇る『デイリー・テレグラフ』のユナイテッド番を務める花形で、アレックス・ファーガソン前監督の勇退をスクープした敏腕だ。他国のサッカー事情に通暁し、緻密かつ冷静な分析に基づいた記事で抜群の信頼を得ている。

【翻訳】
田嶋康輔
 
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