KAZUも背負ったエースの宿命――本田圭佑は「不要論」を打ち消せるか

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2017年09月07日

絶対的な存在だった選手は並みの活躍では誰も納得しない。

本田は今後の活躍で、ハリルホジッチ監督を納得させられるだろうか。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 その姿が20年前のカズと似ているのだが、実はチーム状況もよく似ている。
 
 あの時は最終予選から22歳の城をはじめ、呂比須ら新しい選手が出てきた。呂比須は1-0で負けていたアウェーのウズベキスタン戦で終了間際にゴールを決め、日本を救った。城もイラク戦で価値ある同点ゴールを決めた。そうしてチャンスをモノにしたふたりはフランス・ワールドカップのメンバーに入り、城はカズに代わって日本代表のエースになった。
 
 現チームでも本田の代わりに23歳の久保裕也や22歳の浅野拓磨ら若い選手が台頭してきた。彼らは試合に出るとすぐさま結果を出し、ロシア・ワールドカップのメンバー入りに向けて着々と足下を固めている。そうした若く新しい勢力に本田は押し出されつつある。
 
 もちろん今の本田がベストではないことは確かだ。昨シーズン後半、ミランでほとんど試合に出場できなかった。夏にメキシコのパチューカに移籍後も、怪我のためにオーストラリア戦まで2試合の出場に終わり、いずれも途中出場だった。1ゴールは決めたもののコンディション、プレーの精度など全盛期の本田ではない。 
 
 それゆえ、本田はここからが最後の勝負になる。フランス・ワールドカップイヤー、カズはJリーグで12試合4ゴールを挙げていた。悪くはなかったが最終的にメンバーから外された。絶対的な存在だった選手は並みの活躍では誰も納得しないということだ。
 
 このままメキシコで結果を出せなければあの時沸き上がった「カズ不要論」のように「本田不要論」が声高に叫ばれるだろう。そうして本田を見る視線は一層厳しくなる。
 
 誰にも文句を言わせない結果を残し、ハリルホジッチ監督が求める速いテンポのサッカーの中で何か変化をつけられた時、序列に再び変化が生じる。残された時間が少ない。カズが越えられなかった壁を果たして本田は越えられるだろうか。
 
取材・文:佐藤俊(スポーツライター)

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