猛暑で走り切れない試合を勝ち切れば、価値ある一戦になる。
理想的なコンディションだけでなく、酷暑や高温多湿の環境下であっても、ハリルホジッチは勝つためのソリューションを見出すことができるのか。この課題は解決されないまま、予選を終えた。
過去にハリルホジッチが実績を残したアルジェリア代表も、ブラジルワールドカップでプレーした都市は、ベロオリゾンテ、ポルト・アレグレ、クリチバの3つ。涼しく走りやすい気候が多かった。ハリルホジッチの実績はこの環境がベースにあることを忘れてはいけない。
ジッダでのサウジアラビア戦は、30度を越える猛暑が予想される。もし、この試合が“決戦”になっていたら……。ハリルジャパンの苦手な環境。どうなっていたかは、見通せない。オーストラリア戦で突破を決めたのは、本当にすばらしい結果だった。
本大会はロシアなので、夏でも涼しい。ハリルホジッチ向きの大会には違いない。11都市のうち南部のソチ、ロストフ・ナ・ドヌ、ヴォルゴグラードの3都市は、やや高温多湿になりそうだが、それでも前回のブラジル北部に比べればマシだろう。
ただし、このような環境面を除いても、“ゲームコントロール”はもっと向上させる必要がある。
最終予選が始まってから、ハリルジャパンはリスクを避けるためか、マンツーマンで守備をかみ合わせ、解決する傾向が強くなった。それは正しい決断だ。しかし、ワールドカップで戦うチームには、1対1で簡単に剥がしてくるアタッカーがごろごろいる。ビルドアップのボールの動かし方も、オーストラリアより巧みだ。今の守備戦術では、相手に振り回され、消耗が激しすぎる。
今のままでは、たとえ気候に恵まれたとしても、最後まで走り切るのは難しいだろう。ポゼッション率40パーセントなら体力はもつが、30パーセントまで下がれば、どこかでガス欠になる。それでも、ペナルティエリアで全部撥ね返すほどの高さとパワーがあるチームなら良いが、日本代表にそれは無理だ。
解決するべき課題がある。日本にとっては消化試合となるサウジアラビア戦だが、“ゲームコントロール”に注目したい。
猛暑で走り切れない試合を、ポゼッションでいなしたり、逆に消耗を抑えて相手にボールを持たせるゾーンディフェンスを実践したりと、攻守両面で“ゲームコントロール”を高めることができれば、価値ある一戦になる。
本大会への道は、すでにつながった。ハリルジャパンは、消化試合を消化試合として戦うようなチームではないはずだ。
取材・文:清水英斗(サッカーライター)
過去にハリルホジッチが実績を残したアルジェリア代表も、ブラジルワールドカップでプレーした都市は、ベロオリゾンテ、ポルト・アレグレ、クリチバの3つ。涼しく走りやすい気候が多かった。ハリルホジッチの実績はこの環境がベースにあることを忘れてはいけない。
ジッダでのサウジアラビア戦は、30度を越える猛暑が予想される。もし、この試合が“決戦”になっていたら……。ハリルジャパンの苦手な環境。どうなっていたかは、見通せない。オーストラリア戦で突破を決めたのは、本当にすばらしい結果だった。
本大会はロシアなので、夏でも涼しい。ハリルホジッチ向きの大会には違いない。11都市のうち南部のソチ、ロストフ・ナ・ドヌ、ヴォルゴグラードの3都市は、やや高温多湿になりそうだが、それでも前回のブラジル北部に比べればマシだろう。
ただし、このような環境面を除いても、“ゲームコントロール”はもっと向上させる必要がある。
最終予選が始まってから、ハリルジャパンはリスクを避けるためか、マンツーマンで守備をかみ合わせ、解決する傾向が強くなった。それは正しい決断だ。しかし、ワールドカップで戦うチームには、1対1で簡単に剥がしてくるアタッカーがごろごろいる。ビルドアップのボールの動かし方も、オーストラリアより巧みだ。今の守備戦術では、相手に振り回され、消耗が激しすぎる。
今のままでは、たとえ気候に恵まれたとしても、最後まで走り切るのは難しいだろう。ポゼッション率40パーセントなら体力はもつが、30パーセントまで下がれば、どこかでガス欠になる。それでも、ペナルティエリアで全部撥ね返すほどの高さとパワーがあるチームなら良いが、日本代表にそれは無理だ。
解決するべき課題がある。日本にとっては消化試合となるサウジアラビア戦だが、“ゲームコントロール”に注目したい。
猛暑で走り切れない試合を、ポゼッションでいなしたり、逆に消耗を抑えて相手にボールを持たせるゾーンディフェンスを実践したりと、攻守両面で“ゲームコントロール”を高めることができれば、価値ある一戦になる。
本大会への道は、すでにつながった。ハリルジャパンは、消化試合を消化試合として戦うようなチームではないはずだ。
取材・文:清水英斗(サッカーライター)