【ドイツ現地コラム】始まった鎌田大地の挑戦! 自分の居場所を作り出すために――

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2017年08月23日

しばらく出場機会は訪れないかもしれないが…

リーガで歓喜の輪の中心に鎌田の姿が見られるようになるのはいつか。写真はDFBカップ1回戦(鎌田は右端)。 (C) Getty Images

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 鎌田が語るように、フランクフルトでは「運動量」「1対1の強さ」「素早い攻守の切り替え」が重要視され、必然的に起用される選手には、フィジカル能力が高く、何度も激しい上下動ができることが求められる。
 
 一方で、カウンター以外の攻撃バリエーションは乏しく、相手に守備を固められるとなかなかゴールチャンスを作り出せないという問題を抱えていた。
 
 他の選手のように、鎌田がひとりで状況打開をすることはまだ難しい。フィジカルコンタクトで相手に潰されてしまうシーンも散見される。
 
 ただ、鎌田が前を向いてボールを持つと、そこでタメができ、攻撃のリズムに変化が生まれるのは見逃せない点ではないだろうか。監督の期待も、そこにあるに違いない。
 
 確かにFWで起用されたフライブルク戦では、あまりそうした場面を作り出すことはできず、周囲との連係もかみ合っているとは言い難かった。次節からは、鳴り物入りで加入したボアテングがスタメン起用されると見られている。しばらくは、出場機会が訪れないということもあるかもしれない。
 
 とはいえ、シーズンは長い。まだ始まったばかりだ。本人も、そのことはよく分かっている。
 
「まだまだこれから長いんで、しっかりと……。良い時も悪い時もあるでしょうし、1年間、しっかりとサッカーができたらいいなと思います」
 
 8日20日、鎌田のブンデスリーガでの戦いはスタートした。ここから慌てることなく、少しずつ順応しながら、自分の居場所を作り出していきたい。
 
文:中野 吉之伴
 
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日秋田生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。「ドイツ流タテの突破力」(池田書店)監修、「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)執筆。最近は日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。
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