【鈴木啓太×岩政大樹|中編】浦和、鹿島を出て見えたもの――今だから言える本音も告白

カテゴリ:連載・コラム

岩政大樹

2017年06月19日

若手の"世話"をする自分に違和感を覚えた。

「病気をして体調を崩した」という2011年あたりから考え方が変わっていった。(C)SOCCER DIGEST

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岩政 代表のためにプレーする、みたいな感覚はなかったってことですね?
 
鈴木 さっきのスケジュールの話と一緒なんですが、その場に行ったら自分のすべてをかけるスタンス。代表の時はクラブのことはほとんど考えません。自分はその場所に100パーセントを注いでいました。
 
岩政 鈴木さんは常にフラットですよね。どこにいてもスタンスが変わらない。選手時代は、若手にも積極的に関わっていた印象ですが、どういう先輩でいようと思っていましたか?
 
鈴木 ちょっと病気をして体調を崩してからパフォーマンスが上がらなくて、その時に自分のことに集中するのを少しやめたんです。2011年くらいかな。その前までは、年下よりも上のひとと一緒にいたんですが、若い選手を見ているうちに「こいつら上手いな」と思ったり、相談があればアドバイスしたり、一緒にご飯に行ったりするようになっていきました。
 
岩政 キャリアの途中で考え方が変わったと?
 
鈴木 ただ、その時に自分自身に違和感も覚えました。前だったら、若手だろうが何だろうが、すべて俺のライバルだと思っていました。そう考えなくなった時に、俺はサッカー選手として終わりが近づいているのかなと。
 でも、そこでミシャ(ペトロヴィッチ監督)がレッズに来て、改めてサッカーの楽しさを教えられたんです。「お前はサッカーを楽しんでいない」と言われた時は、自分のなかの違和感を見透かされたようでした。ただ、「大丈夫、今からが一番上手くなるから」とも言われて、そこから再びサッカーを楽しめるようになったし、実際に一番上手くなったと感じましたね。
 
岩政 確かに。そこから、いろんなプレーをするようになりましたよね(笑)。
 
鈴木 前を向くようになったり、ターンするようになったでしょ(笑)。ターニングポイントみたいなものは、ないんですか?
 
岩政 私は鹿島で3連覇して、出場はしてないけど代表でもワールドカップに行った。そのあたりから、何か違うことがしたくなりました。代表を目指すとか、優勝を目指すとかではない場所に行きたいなと。ちょっと勝負みたいなものに疲れたのかもしれません。
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