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【黄金世代】第2回・遠藤保仁「152キャップの格別~すべては日の丸が教えてくれた」(♯4)

カテゴリ:特集

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年06月05日

普通に考えたらすごい。ほとんど何年も休まずやったからね。

30歳にして、ついにW杯のピッチに立った。カメルーン戦の入場時、「なんとも言えない感動があった」と振り返る。(C)Getty Images

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 では、オーバーエイジ枠での出場が内定していた2008年の北京オリンピックはどうだろう。こちらは自身の体調不良により、辞退せざるを得なくなった。
 
「あれは残念だったとしか言いようがない。じつは、予習してたんだよね。自分としては出場を承諾してたけど、正直言ってあんまり選手のことを知らなかったから、知り合いにお願いしてDVDをもらって研究してた。五輪は唯一ってくらい出てない大会だから、いまとなれば、惜しいことをしたなって思うよね」
 

 そして、2010年の南アフリカ・ワールドカップだ。ラウンド・オブ16のパラグアイ戦まで全4試合に先発し、中盤の要としてフル稼働した。
 
「実際にワールドカップのピッチに立ってみて、タッチラインのあっちとこっちじゃこんなに違うのかって実感した。これはやっぱりすごいなと。ようやくワールドカップを経験できたと思った。小さい頃から夢見ていた華やかな舞台はこれだったんだって。(初戦の)カメルーン戦で第1歩を踏み入れた時は、なんとも言えない感動があったよね」
 
 31歳でようやくワールドカップの檜舞台に立った。そんな遠藤を、晩成型だと見る向きが少なくない。遅咲きと言われることもある。これを本人にぶつけると、一蹴された。
 
「どっちでもないでしょ。だって俺、22歳で代表に入ってるからね。なんか苦労人みたいに見られがちだけど、ぜんぜん恵まれたキャリアだと思う。ワールドカップでのイメージが強すぎるだけでね。まあ、幸せの中での苦労人ではあるけど」
 
 言い得て、妙だ。
 
 アルベルト・ザッケローニ政権でも中軸を担い、ブラジル・ワールドカップに出場した。後任のハビエル・アギーレ監督もラスト采配となったアジアカップ2015で遠藤を招集。だがそれを最後に、日の丸から遠ざかっている。
 
 積み上げたキャップ数は152。ダントツの歴代トップで、現役だと岡崎慎司の108試合(歴代5位)が最高で、長谷部誠の104試合(同6位)、長友の93試合(同8位)と続く。いずれも30代に突入している。ヤットの大記録は当分の間、破られないだろう。
 
 文字通りの、鉄人である。
 
「まさかあそこまでとは、自分でも思ってなかった。長く代表にいたいなんて最初の頃は考えもつかないし、いたいと思っていれるものでもないし。何歳で選ばれて何試合出たいなんて、まずイメージしないでしょ。
 
 50キャップが2007年のアジアカップの時。ひょっとしたら100まで行けるんちゃうんってなんとなく思ってたら達成できて、100がザックの2試合目だったんだけど、まだ31歳だから、このまま2年頑張れば井原(正巳)さんの122試合は超えられるかもと、思ってたら超えれた。152試合って普通に考えたらすごい。ほとんど何年も休まずやったからね」

 
 狙うは、エジプト代表として活躍したMFアフメド・ハッサンが持つ世界記録(184試合)で、その差は32試合。さすがにその更新はきわめて非現実的だが、現役としてプレーするかぎりは、日本代表復帰を目ざすと断言する。
 
「やれるぞって自信はある。いまはリストには入ってないだろうけど、最後の最後で選ばれればいい。途中の過程なんて誰も覚えてないでしょ? アジアカップのメンバーは覚えてなくても、ワールドカップのメンバーは永遠に残るからね。俺が言うんだから間違いない(笑)。

 なんとか滑り込みたい。38歳で出たら、かっこいいよね。いまはとかく年齢で判断されがちだし、それを覆すチャンスでもある。さて、どうなるかな」
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