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【コラム】エバートンが示した「忠誠契約」に共感。冷徹な選手売買が続くプレミアでは異例だ

カテゴリ:ワールド

山中忍

2017年05月09日

クラブに忠誠心を示しても「軽々しい」と非難される昨今のプレミアで…。

相手DFのアフタータックルをもろに受けて足は完全に逆方向に曲がった…。それでもコールマンはその重度の骨折から復活を期している。  (C) REUTERS/AFLO

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 またもやトップ6争いが限界だったエバートンは、ロナルド・クーマン監督が就任2年目を迎える来シーズンに向けて大幅なテコ入れを行なう線が濃厚だ。コールマンの定位置の右SBは昨夏からの補強対象でもある。第一人者の負傷後は、CBを兼ねる20歳のメイソン・ホルゲイトという若い力が台頭してもいる。
 
 それでも、満了時には33歳になる長期契約が戦線離脱中のコールマンに与えられた。しかも、2割増しで推定300万ポンド超(約4億5000万円)の新年俸を含め、負傷前に合意していた条件面を変えてすらいない。
 
 昨今のプレミアリーグでは、ファンが英雄視する選手でも30代になれば1年契約提示のみで間接的に移籍を強いられる。逆にプレーヤーたちも、より良い待遇や大きなタイトル獲得を求めて短期間でクラブを去っていく。ゆえに選手がゴールや勝利をクラブの紋章にキスをして祝っても、「軽々しい」、「無意味だ」などと言われてしまう。
 
 だが、一服の清涼剤にようにエバートンが示した「忠誠」は本物だ。コールマンも、8年前に格安の移籍金6万ポンド(約870万円)で獲得されて以来、プレミア級の攻撃的右SBに成長して十二分な働きを見せてきたはずだが、「真価を発揮して恩返しを」と決意を新たにしている。
 
  来シーズンのプレミアで戦線復帰を果たしたコールマンが、得点に絡んだ後でユニホームのエンブレムを口元に持っていく姿を楽しみに待ちたい。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
やまなか・しのぶ/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
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