【コラム】トッティは引退を迫られた?「伝説」がゆえに「重し」に…

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2017年05月05日

現在の状況はデル・ピエロのケースと似ている…。

モンチ(右)はSD就任会見で「幹部として私の傍にいてほしい」とトッティ(左)の引退を示唆している。(C)Getty Images

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 クラブの側に選手としての契約を延長する意思がないことは、昨年6月の時点から明らかであり、その立場は今も一貫して変わっていない。
 
 端的に言えば、ジェームズ・パロッタ会長以下の首脳陣は、トッティが来シーズンもローマの一員としてプレーを続けることを望んでおらず、本人の意思にかかわらずその可能性を断つという決断をすでに下しているということだ。
 
 下部組織時代からクラブ一筋のキャリアを送りシンボル的な存在になった偉大なレジェンドは、ある時点から、本人が望むと望まないにかかわらず、その一挙手一投足がマスコミ、サポーターにあまりにも大きな反響をもたらす“怪物”のような存在になってしまうものだ。
 
 年齢的理由によるパフォーマンスの衰えなどから出場機会が制限されるようになるにつれて、それを巡る様々な論争が巻き起こり、チームとクラブの内部にネガティブな影響を及ぼすというのは、ある意味で必然的な成り行きでもある。
 
 スティーブン・ジェラード(リバプール)やシャビ(バルセロナ)のように、そうした状況を作り出すことを避けるため、愛するクラブを自ら去って、別の場所でキャリアの最終節を送るという決断を下したレジェンドもいる。あるいはアレッサンドロ・デル・ピエロ(ユベントス)のように、クラブの側からそれを強いられたケースもある。
 
 トッティが直面している状況は、その点でデル・ピエロのケースとよく似通っている。クラブとして新たなサイクルをスタートさせるためには「トッティという重荷」を肩から下ろさなければならないし、そのタイミングは今しかないというのが、ローマ首脳陣の判断なのだろう。そう考えれば、新たなサイクルの推進役として招聘されたモンチが、トッティの「首に鈴をつける」という重い役目を担った理由も説明がつく。 
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