【高円宮杯】欠落していた“生命線”。タレント軍団・FC東京U-18はなぜ敗れたのか

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2017年04月09日

平川怜は「自分たちの甘さが出た」。

身体が一回り大きくなった印象を受ける久保(左)。U-18でもU-23でも、いまやチームに欠かせない攻撃の中軸だ。写真:松尾祐希

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 とはいえ、プラス材料もある。
 
「随所にクオリティーを出してくる瞬間はあったけど、それがもっと増えてくると良いのかなと思う。なので、もっと良くなっていかないといけない。タケ(久保)にしてもレイ(平川)にしてもそうですし、J3を経験した選手たちもそう」
 
 指揮官はもっとやれたと話すが、個の力で違いを作り出す場面が何度か見られた。「ゴールに関わること」を今年のテーマに掲げるU-17日本代表の平川は、ボランチの位置から何度も前線に顔を出して好機を演出。後半に生まれたゴールも狙い通りで、中盤からボールを持ち上がっていった結果だ。
 
 平川のゴールをお膳立てした久保も攻撃の核として存在感を示した。前半に決めた直接FKも自らの果敢な仕掛けから得た好機だ。それ以外にもすでに今季のJ3を経験している187cmの大型FW原大智は高さで優位に立ち、サイドハーフの小林幹も精度の高いプレーでチャンスを創出。個の力は、昨季のチームにも引けを取らないポテンシャルを感じさせた。
 
 今節はJ3のゲームがなかったが、次節以降は昨年同様、U-23チームに参戦する選手が出てくる。誰がどの試合で起用されるかは判然とせず、戦術面をじっくり落し込む時間もない。だからこそ、個の力と闘う姿勢が、より一層求められる。
 
「球際であと一歩頑張らないといけないし、(選手に指示を)伝えるのがひとつ遅れている。そこはしっかりと伝えていかないといけないし、(それができなければ)このような結果になっても仕方がない。だから、もっと突き詰めていきたい」(主将の右SB岡庭愁人)
 
「自分たちの甘さが出た。プレミアリーグは厳しい。追いついたことでなんとなく行けるような雰囲気になったけど、攻め切れなかった」(平川)
 
 清水戦で得た教訓を次の試合で活かせるか。そして、“らしさ”を取り戻せるか。2節の浦和レッズユース戦は、重要な位置づけの一戦となる。
 
取材・文:松尾祐希(サッカーライター)
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