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【小宮良之の日本サッカー兵法書】着実に進化中のハリルジャパンに必要なのは“幅”と“柔軟性”

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年04月06日

戦力を厚くしていく一方で、戦術の多様性も鍵になってくる。

現在の戦術の熟成も大事だが、齋藤ら優れたアタッカーの存在を起用し、新たな戦い方も採り入れることで、4年前のようなマンネリや停滞を防ぐこともできるだろう。 (C) サッカーダイジェスト

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 ハリルジャパンが採っているのは、フィジカルに根ざした戦術スタイルと言えるだろう。しかし、W杯で連戦をフルタイムで戦うのは、困難である。必然的に、主力だけでなく、(競争力も上げる)スペアの選手が欠かせない。
 
 その点、タイ戦では疲れの見えた久保に代わって本田圭佑(ミラン)を投入後、チームは活性化した。また、香川真司(ドルトムント)の代わりに、清武弘嗣(セレッソ大阪)が入ったことで、同じく攻撃は活溌になった。3点目が入って、相手の勢いが落ちたこともあるだろうが、交代が奏功した。
 
 こうして、戦力を厚くしていくべきだろう。
 
 一方で、戦術の多様性も鍵になってくる。
 
 UAE戦では、主流の4-2-1-3(4-2-3-1とも言える)ではなく、4-3-3(あるいは4-1-4-1)というシステムを用い、ここでは今野泰幸(ガンバ大阪)が躍動。長谷部不在のなか、戦術的なバリエーションの広がりを見せている。
 
 これが世界で通用するかは別にして、戦いの柔軟性は欠かせない。ブラジルW杯では「自分らしさ」に固執し、墓穴を掘ることになった。
 
 4-4-2を採用して、サイドを供給役にするような戦い方も持ち込むべきだろう。その場合、日本には齋藤学(横浜F・マリノス)、乾貴士(エイバル)のような異彩を放つアタッカーがいる。
 
 ストライカー不足といわれるが、岡崎慎司(レスター)は世界標準だし、大迫勇也(ケルン)、武藤嘉紀(マインツ)、小林悠(川崎フロンターレ)、大久保嘉人(FC東京)、豊田陽平(サガン鳥栖)、金崎夢生(鹿島アントラーズ)ら、FW陣はバラエティーに溢れている。
 
 サイドからボールを2トップで叩く、そういうオプションも探るべきだろう。
 
 世界と戦うハリルジャパンは、まだまだ途上にある。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
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