内容に合致しない「4-0」が示す現在地。日本はアジアのブラジル足りえるのか?

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2017年03月30日

今回のタイは、あの時の我々と似たような感覚になっただろうか。

ブラジルに大敗した日本のような感情を、タイも感じたのだろうか?(C)Getty Images

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 今回のタイは、あの時の我々と似たような感覚になっただろうか。良い試合をしても、シュート力と、それを防ぐDFとGKの力量差で0-4。善戦したタイにとっては、1ゴール・2アシストで暴れ回った、理不尽な久保無双に負けた試合だったかもしれない。結局サッカーというスポーツは、シュートに持ち込んで打つところ、それを止めるところで、結果の大半が決まる。
 
 ドイツサッカーは1対1を重視することで知られるが、彼らの古くからの考え方は、どんなに中盤を支配されても、突破されても、極端に言えば最後の1対1さえ勝てばいい。どんなにやられてもGKが止めれば勝てる、シュートを決めれば勝てる、というシンプルな発想だ。
 
 もちろん、世界が競争的になり、そのアイデアだけでは勝てなくなったので、近年のドイツはいろいろと改革されたわけだが、サッカーの本質的な出発点として、彼らの古い考え方に学ぶところはある。
 
 内容に合致しない「4-0」に、サッカーの原点を感じた。そんなタイ戦だった。
 
 とはいえ、日本がブラジルに善戦しながらも0-4で負けた、ふたつの試合は、あくまでも親善試合だ。2013年のコンフェデレーションズカップでは、結果も内容もコテンパンに叩きのめされた0-3の完敗だった。
 
 そういう意味では、今回のタイ戦は最終予選。しかも日本は得点を取れば取るだけ、今後の順位テーブルが有利になる。それなのにホームでこの内容で、しかも2点目の後のゆるみも明らかだった。たとえで並べてみたものの、日本とブラジルほどの差が、日本とタイの間に存在するとは言えなそうだ。
 
取材・文:清水英斗(サッカーライター)

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