柴崎岳「スペイン移籍騒動」の舞台裏、テネリフェ加入はむしろ正解?

カテゴリ:海外日本人

下村正幸

2017年02月04日

ラス・パルマスよりもテネリフェのほうが出場のチャンスは大きい。

今冬にラス・パルマスに加入したヘセ(左)とハリロビッチ(右)。この2人の獲得で、柴崎が入り込む隙間はなくなった。写真:ラス・パルマスの公式ツイッターより

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 ただ、パリSGの激しい抵抗もあり交渉は想定されていた通り難航。そうした過程の中で昨年末のクラブワールドカップ決勝戦でマドリー相手に2得点を挙げ、株を上昇させていた柴崎の名前が獲得候補のひとりとしてフェリックス記者によって明るみに出て、それが徐々に歪曲されながら日本で独り歩きしてしまった格好だ。
 
 もちろんその間、ラス・パルマスは水面下で複数のオペレーションを同時進行させ、1月26日にはハンブルクからクロアチア代表MFのアレン・ハリロビッチを獲得(2018年6月までのレンタル)。そして、市場がクローズする前日の30日には、念願のヘセ獲得(今シーズンいっぱいのレンタル)をミゲル・アンヘル・ラミレス会長が発表した。
 
 フェリックス記者いわく「望外の成果を得た」この2選手の獲得成功によって、柴崎を含めた他の選手の補強の可能性は事実上消滅した。
 
 その中の1人であるジョナサン・カレリ(ウェストハム/アルゼンチン代表)に至っては、現地メディアではすでに契約合意とも伝えられていた。しかし、所属先のウェストハムで前線に怪我人が続出したことで事態が急転。ラス・パルマス行きの飛行機チケットを用意していたにもかかわらず、泣く泣く残留を余儀なくされている。
 
 ただ、それは柴崎サイドも同じはずで、冒頭の記者会見の中でセラーノTDは、代理人の話を引用する形でスペインに加え、ドイツ、トルコのクラブが選択肢としてあったことを明かしている。
 
 そんな中で柴崎はテネリフェを選択。言うなればテネリフェは残りくじに当たった形だが、フェリックス記者は今回の選択が柴崎にとってはむしろプラスに転じる可能性があると指摘する。
 
「ラス・パルマスはカンテラ(下部組織)を重視するクラブで、それはトップチームにおけるカンテラーノの占める割合の多さが示してもいる。ただ彼らの存在感が徐々に低下しているのが現状で、現時点でレギュラー当確といえるのはホナタン・ビエラ、ロケ・メサ、ビセンテ・ゴメス、ダニ・カステジャーノの4選手くらい。タナ、モモといった実力者も、今回のヘセとハリロビッチの加入で立場は厳しくなった。チームの競争力が上がっている裏返しでもあるが、ここに仮に柴崎が加わっていたとしても、すぐに居場所を得るのは困難だっただろう」
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