ユース年代から代表ユニホームを身に纏ってきた彼は、65年9月26日のスウェーデン戦でA代表デビューを果たす。この試合は、66年イングランド・ワールドカップ出場を決める大一番でもあった。
すぐに不動の存在となったベッケンバウアーは、イングランドW杯に中盤の核として出場。自ら4ゴールを挙げるなど抜群の存在感を示し、今なお論争の的となっている決勝戦では開催国に延長戦の末に敗れたものの、新たなスターの登場を世界に印象付けた。
その4年後のメキシコW杯では、準々決勝のイングランド戦で鮮やかなドリブルからの強烈なシュートを決め、延長戦の末に勝利。準決勝のイタリア戦では、試合途中に右肩を脱臼しながらもピッチに立ち続け、歴史に残る延長戦での激闘(3-4で敗北)を演出した。
世界の舞台で準優勝、3位という好成績を連続で残した後、西ドイツは72年、欧州選手権の本大会に出場。準決勝で開催国ベルギーを2-1で下した後、ヘイゼル・スタジアムでの決勝戦では、ソ連相手に3-0というスコアで勝利を収めた。
ベッケンバウアーは中盤から最終ラインにポジションを移し、リベロとしてチームをまとめたが、マイヤー、ミュラー、ギュンター・ネッツァー、ユップ・ハインケスらによって構成された集団は強力かつ華麗であり、今でも歴代最高のチームに挙げられるほどである。
鮮烈な印象を世界に与えた西ドイツは2年後、自国開催のW杯を迎える。ピッチ上の監督でもあったベッケンバウアー率いるチームは、欧州選手権の時のような派手さはないものの、堅実な戦いぶりで勝ち進んでいた。
2次リーグ最終戦でポーランドとのスリリングな一戦を制して決勝戦に駒を進めた彼らの前に立ちはだかったのは、この大会で旋風を巻き起こし、サッカーの歴史を変える「トータルフットボール」を世に披露した、ヨハン・クライフ率いるオランダだった。
開始直後にクライフのドリブルで自陣を突破されPK献上、失点を喫した開催国だったが、ベッケンバウアーは抜群のキャプテンシーを発揮してチームに落ち着きを取り戻させ、前半での逆転を促し、後半は冷静かつ的確なプレーでオランダに再三ため息をつかせた。
そしてタイムアップの笛がミュンヘンのオリンピア・シュタディオンに轟いた後、ベッケンバウアーはドイツだけでなく、世界の「皇帝」として君臨したのである。
その2年後、前回王者として臨んだ欧州選手権では、再び決勝戦に進出するも、伏兵チェコスロバキアにPK戦の末に敗北。翌年、ベッケンバウアーは通算103試合出場という当時の最多記録を残してユニホームを脱いだ。
83年にはクラブレベルでも引退を発表した皇帝だが、休息は束の間であり、84年、フランスでの欧州選手権で惨敗した西ドイツの指揮官に就任。86年メキシコW杯では、主力のコンディション不良やチーム内の派閥争い等、問題を抱えながらも準優勝と好結果を残す。
88年の欧州選手権では、自国開催ということで優勝を期待されながらも、準決勝でオランダに74年の雪辱を許すかたちで敗れたが、ここから着実にチームを熟成させ、2年後のイタリアW杯では魅力的な集団をカルチョの国に送り込んだ。
グループステージでは攻撃力が爆発して3試合で10ゴールを挙げた西ドイツは、決勝トーナメントに入ると持ち前の堅実なプレーで強敵を次々に撃破。決勝戦では、4年前に辛酸をなめさせられたディエゴ・マラドーナのアルゼンチンに何もさせず、74年以来の優勝を果たした。
沈着冷静だった現役時代とは打って変わり、指揮官としては感情を露にしながら派手なアクションで選手を鼓舞し続けたベッケンバウアーは、その的確な采配によって、選手・監督の両方で世界を制するという偉業を成し遂げ、大会後に代表監督の座を退いた。
その後、マルセイユで監督を、バイエルンでは監督・会長も務めたドイツ・サッカー最大の名士は、2006年の自国開催のW杯では大会委員長として、国を挙げてのビッグイベントを大成功に導いている。
かつてのピッチ上の皇帝は、ユニホームからスーツに着替えてもなお、偉大なる統率者だったのである。
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