期待されるのは「名手モストボイ」の役回り。
2002-03シーズンのリーガ・エスパニョーラでセルタを4位に押し上げ、チャンピオンズ・リーグ出場に導いたロティーナ監督。当時のチームにはロシア代表のプレーメーカー、アレクサンドル・モストボイがいた。攻守の繋ぎを高質にこなし、つねにチームの中心軸となって躍進を支えた名手だ。指揮官が井上に期待するのは、まさにこのモストボイがこなした役回りだろう。サイズ的には167㌢・60㌔と線が細く、経験値もまだ乏しいが、ロティーナ監督は「ひと目見て大好きになった。間違いなく能力が高い。すべての面で優れている」と称える。
さらに、攻撃のコンビネーション熟成に深く関わっているスペイン人コーチ、イバン・パランコ・サンチアゴも激賞する。バルセロナの育成部門で研鑽を積んだロティーナの腹心は、「ポテンシャルとプレービジョンが素晴らしい。守備やポジショニングなどこれから学ぶべき点は多々あるが、言い換えればそれは伸びしろ。試合をこなすなかでどんどん成長していくはずだ」と太鼓判を押した。
昨季からがらりと変わったスタイルの下で、井上はもがきながらも必死に食らいついている。
「僕だけじゃなくてボランチ全員が言われてるのは、後ろと前をしっかり繋げということです。センターバックからフォワードに直接入るのはこのチームではあり得ない。去年とはまるで違うし、かなり細かいですね。センターバックまで落ちてボールを受けて、そこから自分のリズムを出していくのが僕の癖だったんですけど、『そこじゃない! もっと前で受けろ!』と。難しい。苦労してる感じです」
小5で東京Vジュニアの門を叩き、以降はよみうりランドを根城に、持ち前の創造性と攻撃性能に磨きをかけてきた。選手個人の自由な発想を重視する育成メソッドは昔もいまも変わらず、昨季までトップチームの監督を務めた冨樫剛一氏もアカデミー出身者で、井上は昇格1年目から伸び伸びとプレーしていた。初めての外国籍監督、そして戦術面で徹底管理されるカルチャーショック。この劇的な変化を、19歳の天才肌は楽しんでいる。
「いまは本当に、考えてサッカーをやるのが楽しくてしょうがないんですよ。自由にやるのも楽しかったけど、細かい動きの修正とか、監督が求めているのがなんなのかを考えながらプレーするのが楽しい。すごく充実してます」
ただ、ひたすら指示を待つロボットになるつもりはない。ルーキーイヤーの昨季はセンセーショナルな活躍を見せた一方で、二度の負傷離脱を余儀なくされた。今季は主軸のひとりとしてシーズンを通しチームをリードする、その気概が垣間見える。
「ルールはルールとして守るのが第一ですけど、自分の良さも出していかないと成長できない。どんどん前に飛び出していくのが自分のスタイルだし、横パスやバックパスも交えていかないと、効果的はクサビのパスは入りませんから。1トップの下にボールがちゃんと入ればもっとボールが回る。そんな手応えは掴めてます」
さらに、攻撃のコンビネーション熟成に深く関わっているスペイン人コーチ、イバン・パランコ・サンチアゴも激賞する。バルセロナの育成部門で研鑽を積んだロティーナの腹心は、「ポテンシャルとプレービジョンが素晴らしい。守備やポジショニングなどこれから学ぶべき点は多々あるが、言い換えればそれは伸びしろ。試合をこなすなかでどんどん成長していくはずだ」と太鼓判を押した。
昨季からがらりと変わったスタイルの下で、井上はもがきながらも必死に食らいついている。
「僕だけじゃなくてボランチ全員が言われてるのは、後ろと前をしっかり繋げということです。センターバックからフォワードに直接入るのはこのチームではあり得ない。去年とはまるで違うし、かなり細かいですね。センターバックまで落ちてボールを受けて、そこから自分のリズムを出していくのが僕の癖だったんですけど、『そこじゃない! もっと前で受けろ!』と。難しい。苦労してる感じです」
小5で東京Vジュニアの門を叩き、以降はよみうりランドを根城に、持ち前の創造性と攻撃性能に磨きをかけてきた。選手個人の自由な発想を重視する育成メソッドは昔もいまも変わらず、昨季までトップチームの監督を務めた冨樫剛一氏もアカデミー出身者で、井上は昇格1年目から伸び伸びとプレーしていた。初めての外国籍監督、そして戦術面で徹底管理されるカルチャーショック。この劇的な変化を、19歳の天才肌は楽しんでいる。
「いまは本当に、考えてサッカーをやるのが楽しくてしょうがないんですよ。自由にやるのも楽しかったけど、細かい動きの修正とか、監督が求めているのがなんなのかを考えながらプレーするのが楽しい。すごく充実してます」
ただ、ひたすら指示を待つロボットになるつもりはない。ルーキーイヤーの昨季はセンセーショナルな活躍を見せた一方で、二度の負傷離脱を余儀なくされた。今季は主軸のひとりとしてシーズンを通しチームをリードする、その気概が垣間見える。
「ルールはルールとして守るのが第一ですけど、自分の良さも出していかないと成長できない。どんどん前に飛び出していくのが自分のスタイルだし、横パスやバックパスも交えていかないと、効果的はクサビのパスは入りませんから。1トップの下にボールがちゃんと入ればもっとボールが回る。そんな手応えは掴めてます」