伝統の「エンブレム」から斬新な「ロゴ」へ――ユベントスが込めた未来への強い意志

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2017年01月20日

保守的なイタリアのサポーターの反応はさほど悪くないようだ。

自前のスタジアムの建設など、カルチョでは先駆者的存在のユーベが、新たな潮流を世界のサッカー界に生み出すことになるのか。 (C) Alberto LINGRIA

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 イタリア国内はもちろん、欧州のメガクラブにおいて、これまでに例がない斬新な試みだけに、サポーターのあいだでもこのロゴマークに対しては意見が分かれている。
 
 イタリアのマスコミは、話題作りのために否定的な意見を取り上げがちな傾向があるが、トリノに本拠を置くスポーツ紙『トゥットスポルト』のウェブサイトが行なったアンケートでは、賛成48パーセント、反対52パーセントという結果が出ている。
 
 賛否は実質半々といったところで、イタリアのサポーターは総じて保守的な傾向が強いことを考えると、反応としてはそれほど悪いものではないと言える。
 
 ちなみに、今回の新ロゴをめぐって最も話題になったのは、新ロゴ発表の2週間前に、現在のエンブレムのタトゥーを背中に入れた熱烈なユベンティーノのことである。
 
 ケビンという名のこのサポーターは、サブカルチャー系のニュースサイトとして有名な『VICE』のイタリア版にインタビューされて、こう答えている。
 
「アニエッリ会長が突然思い直して、古いエンブレムに戻してくれたらいいのにとも思うけれど、いずれにしても全く後悔はしていないよ。俺が彫ったタトゥーはユベントスの歴史であって、それが消えることはないからね」
 
文:片野 道郎
 
【著者プロフィール】
かたの・みちお/1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。
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