今季を通じて谷口のなかで変わっていった部分とは?
そんな苦しい時期を経験しながらも、CBの定位置を再び確保し出場機会を増やすと、徐々に状態は高まっていく。守備の強度は日に日に高まり、“闘う”姿勢を前面に出す。そして、繋ぎの部分での冷静さ、正確性も本来の輝きを取り戻していった。
「彰悟さんはいいタイミングでボールを入れてくれるし、(自分が)嫌なときには入れない。すごく、僕の状況をうまく見ながら出してくれている」。同郷の後輩であり、谷口と同じサイドでプレーすることが多い車屋紳太郎も最大級の賛辞を送る。
今シーズンを通じて、谷口の中で確実に変わっていった部分がひとつあった。それは“結果にこだわる”ということである。準々決勝のFC東京戦でも内容で圧倒し勝利を得ながらまったく満足する気配はなかったのだが、終了間際の失点がその要因だった。
「どんなゲームでもゼロにこだわらないといけないし、タイトルを取るチームはそう。そこはまだまだこのチームの甘さ」と厳しい言葉を口にしていた。それもあってこの試合も無失点へのこだわりを強く持って臨み、90分にわたって耐える力を示した。さらには決勝点もマーク。これ以上ない結果が彼のもとに舞い込んだが、これは自ら呼び込んだものとも言えるかもしれない。
2016年が谷口にとって苦しい時期が多いシーズンだったことは、多くのサポーターが知るところだろう。そこでもがく姿を、記者も近くで見てきたひとりだからこそ思うし、言えるのだ。チームを勝利に導くゴールが決まったあの瞬間、彼が感情を爆発させたあの瞬間は、川崎サポーターに何にも代え難い喜びを与えてくれたのは間違いない。
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
「彰悟さんはいいタイミングでボールを入れてくれるし、(自分が)嫌なときには入れない。すごく、僕の状況をうまく見ながら出してくれている」。同郷の後輩であり、谷口と同じサイドでプレーすることが多い車屋紳太郎も最大級の賛辞を送る。
今シーズンを通じて、谷口の中で確実に変わっていった部分がひとつあった。それは“結果にこだわる”ということである。準々決勝のFC東京戦でも内容で圧倒し勝利を得ながらまったく満足する気配はなかったのだが、終了間際の失点がその要因だった。
「どんなゲームでもゼロにこだわらないといけないし、タイトルを取るチームはそう。そこはまだまだこのチームの甘さ」と厳しい言葉を口にしていた。それもあってこの試合も無失点へのこだわりを強く持って臨み、90分にわたって耐える力を示した。さらには決勝点もマーク。これ以上ない結果が彼のもとに舞い込んだが、これは自ら呼び込んだものとも言えるかもしれない。
2016年が谷口にとって苦しい時期が多いシーズンだったことは、多くのサポーターが知るところだろう。そこでもがく姿を、記者も近くで見てきたひとりだからこそ思うし、言えるのだ。チームを勝利に導くゴールが決まったあの瞬間、彼が感情を爆発させたあの瞬間は、川崎サポーターに何にも代え難い喜びを与えてくれたのは間違いない。
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)